パイロット年収いくら?会社別紹介!なぜ高い?今後は下がる?上がる?|2023年度版

パイロットの年収2023

パイロット志望者の皆さまこんにちは!理事長・パイロット養成コンサルの冨村です。
本日は、パイロット志望者の皆さまお待ちかね!パイロットの年収についてのコラムです。最後までお楽しみください。

なお、パイロット給与は個人差が大きく、また乗務時間によって大きく変わってきますので、サンプルがあっても参考程度にしかならないことから、当コラムでは、特定のパイロットの給与明細を公表することはせず、あくまでも公に公表されている報告書や統計書から推論。エビデンスを明示し、また統計の読み方も含めて解説します。

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目次
  1. パイロットの年収 JAL(日本航空)【大手国内航空会社別】
  2. パイロットの年収 ANA(全日空)【大手国内航空会社別】
  3. パイロットの年収 SKY(スカイマーク)
  4. パイロットの年収 JTA・JAC・J-AIR・ZIP AIR・HAC・RAC・スプリングジャパン【JAL(日本航空)グループ 関連会社系】
  5. パイロットの年収 ANAウイングス・エアージャパン・Peach【ANA(全日空)グループ 関連会社系】
  6. パイロットの年収 エアドゥ(ADO)・ソラシド(SNA)・スターフライヤー(SFJ)・アイベックス(IBX)・ジェットスター(JJP)・フジドリーム(FDA)・オリエンタルエアブリッジ(ORC)・天草エアライン(AMX)
  7. パイロットの年収 シンガポール、台湾、香港、アメリカなど【海外航空会社】
  8. なぜパイロットの年収は高いのか?
  9. パイロットの身体検査に落ちた場合は?
  10. パイロットの定年は何歳?定年後はどうするか?
  11. パイロット採用と年収から考察する「パイロットになるには」まとめ
  12. 【告知】崇城大学を分析・紹介 入学説明会・オープンキャンパスについて
  13. 【告知】 PILOT専門進学塾で行われるイベント紹介
  14. 2023年度合格速報

パイロットの年収 JAL(日本航空)【大手国内航空会社別】

JAL(日本航空)のパイロットの平均年収は、JAL(日本航空)グループ(パイロット3196名)全体の平均で、1879万円です。
この数値は、JALグループの2023年3月期 有価証券報告書(2023年6月26日発行)に記載されています。

JAL(日本航空)本体だけの平均年収や、機長だけの年収などは公表されておりませんが、推定値(冨村独自のもの)で、JAL本体の機長の平均推定年収は2600万円、JAL本体の副操縦士の推定平均年収は1450万円と思われます。令和3年度より130万円上がっていたので、若干上げております。

エビデンス(冨村がその様に推定する根拠)ですが、有価証券報告書の平均値が1879万円であることと、後述の令和4年 賃金構造基本統計調査の大企業に分類される航空会社平均年間給与が1778万円であったこと、55〜59歳のパイロットに至っては、平均年間給与が2652万円であったことを勘案し算出しました。

パイロットの年収は高いと驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

後述しますが、パイロットの年収が高いのは乗務手当を始めとした各種手当が基本給にプラスされるためです。

パイロットの年収は月毎のフライトタイム(乗務手当の金額に比例)で大きく変わることから、コロナの影響がまだ続いている2022年は、担当機種や国際・国内の違いなどで、平均年間給与は個人差が大きくなるものと思われます。

パイロット全体の平均と言っても、個人差が大きいため、参考程度にしてください。

本記事の情報源である、厚生労働省発表の「賃金構造基本統計調査」とその読み方について以下のブログ記事にてまとめています。
パイロットになるためには統計表を自力で読み解くことも大切なスキルですので、是非こちらの記事もご覧ください。

エアラインパイロット年収コラム別解説「賃金構造基本統計調査の読み方」|2023年度版

パイロットの年収 ANA(全日空)【大手国内航空会社別】

ANA(全日空)のパイロットの平均年収は、有価証券報告書に明示されているJALと異なり、分かりやすく公表されておりませんが、推定値で、ANA(全日空)本体の機長の平均推定年収は2600万円、ANA(全日空)本体の副操縦士の推定平均年収は1350万円と思われます。

エビデンスは、令和4年 賃金構造基本統計調査の大企業に分類される航空会社平均年間給与が1778万円であったこと、55〜59歳のパイロットに至っては、平均年間給与が2652万円であったことを勘案し算出しました。

ANAは国際線運航会社のため、国際線を担当するパイロットほどに、乗務時間が減ってきており、年収は平均より少なくなります。

月毎のフライトタイム(乗務時間数)に応じて支給される乗務手当の減少幅が大きい模様です。

フライトが減ることによる年収減は、ANA(全日空)に限らずJAL(日本航空)でも発生していますが、パイロットの平均年間給与にも影響を及ぼしている可能性は否定できないでしょう。

後述の令和4年 賃金構造基本統計調査の結果にて、詳しく解説します。

パイロットの年収 SKY(スカイマーク)

SKY(スカイマーク)のパイロットの平均年収もまた、公表されておりませんが、推定値で、機長の平均推定年収は2200万円、副操縦士の推定平均年収は1200万円と思われます。

エビデンスは、こちらも同様に、令和4年 賃金構造基本統計調査の大企業に分類される航空会社平均年間給与が1778万円であったこと、また、SKYと比較的近いSFJ(スターフライヤー)は有価証券報告書が公開されていて、JAL同様、平均年収が200万円上がっていたことも参考に、パイロット想定年収(調査の平均値)を算出しています。

賃金構造基本統計調査のなかで、スカイマークは、従業員数1000人以上が在籍する、いわゆる大企業に分類されています。他にANAやJALなどが分類されていることから、大企業の平均年間給与よりは、若干下げております。ただし、機長になる年齢が早いスカイマークでは、機長としての給与をいただける期間がANAやJALよりも長くなることから、最終的な生涯賃金(一生かけて得られる給与の合計額)はANAやJAL同等となる計算です。

旧体制の頃までは、JAL(日本航空)同様に有価証券報告書に人件費が公開されており、JAL(日本航空)の半分以下と言われた頃もありましたが、10年以上が経過し、スカイマークに在籍するパイロットの年収も徐々に上がり、同等の水準になってきています。

スカイマークだけに限ったことではありませんが、世界的なパイロット不足もあって、パイロットの年収が世界中で高騰しましたが、日本の新興航空会社やLCCが、そういった状況下でも優秀なパイロットを雇用していくためには、給与など待遇改善をする必要があったため、徐々に上がって来ておりました。

また、運航路線の大半が国内線であったことから、新型コロナによる減便からの回復が、JAL(日本航空)やANA(全日空)より早かったことから、パイロットの想定年収の下振れはなく、現状はむしろコロナ前の水準より高くなっています。

JAL(日本航空)やANA(全日空)よりは年収は若干低いですが、JALやANAより早く機長になれる(生涯賃金はほぼJAL・ANA同等)ことから、パイロット志望者には比較的、人気の高い会社でもあります。

パイロットの年収 JTA・JAC・J-AIR・ZIP AIR・HAC・RAC・スプリングジャパン【JAL(日本航空)グループ 関連会社系】

JAL(日本航空)グループには、以下の連結子会社があります。

各社毎の年収は発表されておりませんが、JAL(日本航空)グループの2023年3月期 有価証券報告書(2023年6月26日発行)を元に、JAL(日本航空)グループ会社の機長の平均推定年収は2000万円、JAL(日本航空)グループ会社の副操縦士の推定平均年収は1200万円と推定いたしました。

エビデンス(冨村がその様に推定する根拠)ですが、有価証券報告書の平均値が1879万円であることと、後述の令和4年 賃金構造基本統計調査の大企業に分類される航空会社平均年間給与が1778万円であったこと、令和4年の同統計調査では、大手子会社・その他振興航空会社・LCC各社の機長クラス(一部副操縦士)と思われる平均年間給与が年代毎に大体1700万円平均であったことを勘案し算出しました。

JTA
(日本トランスオーシャン航空)

沖縄をベースにB737(ジェット機)を運航する会社。歴史は長く、日本各地に就航している。

JAC
(日本エアコミューター)

鹿児島空港をベースにATR42(プロペラ機)を運航する会社。特に鹿児島県の離島に住む人々にとって、欠かせない航空会社である。

J-AIR
(ジェイエア)

伊丹空港をベースに、日本各地を結ぶローカル線(JAL(日本航空)グループの3割)を運航している。エンブラエル(ジェット機)を運航している。

ZIP AIR

成田空港ベースのJAL(日本航空)グループ国際線専用LCC。B787(ジェット機)を運航する。まだ就航開始したばかりに新型コロナの影響を受けたものの、国際線旅客回復に合わせて、アメリカ路線・アジア路線を徐々に拡大して来ている。

HAC
(北海道エアシステム)

札幌丘珠空港をベースに、北海道内に路線を運航する会社。ATR(ターボプロップ機)を運航している。

RAC
(琉球エアーコミューター)

那覇空港をベースに、沖縄離島と奄美群島路線を運航する会社。ボンバルディア(ターボプロップ機)を運航している。

スプリングジャパン

成田空港ベースのLCCでB737(ジェット機)を運航する。元々、春秋航空日本という名前で、中国系LCCだったが、2021年にJAL(日本航空)が連結子会社化した。新型コロナの影響もあり、現在は国内線メインの運航となっている。

多種多様なJAL(日本航空)グループ。1日に5〜6便も飛ばさなければならないローカル線パイロットから、国際線LCCパイロットまで多種ありますので、平均と言っても、担当機種や国際・国内の違いなどで、平均年間給与は個人差が相当大きくなるものと思われます。

個人差は、機長の場合で、平均年間給与より400万円ほどのプラスマイナスがありそうです。

平均年間給与は、JALよりは若干下がりますが、JALグループ会社(関連会社)でも、JAL同様に、自社養成採用試験もやっており、パイロット志望者には人気のある会社ばかりです。

本記事の情報源である、厚生労働省発表の「賃金構造基本統計調査」とその読み方について以下のブログ記事にてまとめています。
パイロットになるためには統計表を自力で読み解くことも大切なスキルですので、是非こちらの記事もご覧ください。

エアラインパイロット年収コラム別解説「賃金構造基本統計調査の読み方」|2023年度版

パイロットの年収 ANAウイングス・エアージャパン・Peach【ANA(全日空)グループ 関連会社系】

ANAホールディングス(持株会社)には、ANA本体(全日本空輸株式会社)と、ANAウイングス、エアージャパン、Peach Aviationの4つの航空会社が連結子会社としてあります。便宜上、ANA本体以外の3社を、ANAグループ関連会社と位置付けて説明致します。

ANA(全日空)本体のパイロット年収の説明でも記述した通り、ANA(全日空)の有価証券報告書には、パイロットの給与額が掲載されておりません。

したがって、ANA(全日空)本体の想定年収だけでなく、ANA(全日空)グループ各社の平均年間給与は公表されておりません。

グループ子会社で、ANAウイングスとPeach Aviationに着目して、ANAグループ会社の機長の平均推定年収は2100万円、ANA(全日空)グループ会社の副操縦士の推定平均年収は1300万円と推定いたしました。

なお、エアージャパンについては、ANA(全日空)グループの一社(航空会社以外)であるパイロット派遣会社を経由して、パイロットの大半を契約社員として受け入れている特異性から、今回の各社の推定年収の話からは除外したいと思います。

「派遣パイロットの必要性について」

そもそも航空業界は、世界中で、疫病の流行、紛争、原油高など、イベントリスクに弱い業界です。景気のアップダウンに合わせて、雇用を調整する必要が少なからずあるため、パイロット派遣会社が必要な側面もあるのです。なお、エアージャパンに限らず、例えばANAウイングス、Peach Aviation、その他LCCなどにおいても、一部パイロットは派遣パイロット(外国人)だったりします。なお、派遣パイロットの場合、他の職業と同様に、有期雇用となる点など、最終的に年収としては正社員よりも下がると思われます。景気が良い時は派遣パイロットも大活躍ですが、不景気になると極端に仕事が無くなるのが特徴です。

エビデンス(冨村がその様に推定する根拠)ですが、令和4年 賃金構造基本統計調査の大企業に分類される航空会社平均年間給与が1778万円であることと、(当コラム既出の)JAL(日本航空)グループ、ANA(全日空)グループ、SKY、SFJの推定年収より、総合的に勘案し算出しました。

賃金構造基本統計調査では、ANAウイングスとPeach Aviationは、従業員数が1000人以上の企業、すなわち大企業に分類されていると思われます。他に大企業に分類されている会社は、ANA、JAL、SKYがありますので、それらを除外して考えてみると、ANAウイングスとPeach Aviationが残る、という算出方法です。

多種多様なJAL(日本航空)グループと比較して、会社数が限定的で、各社それぞれの特色を色濃く打ち出しているのがANA(全日空)グループです。

ターボプロップもジェットも運航し日本全国を飛び回るANAウイングスは、パイロット志望者からも人気のある会社。

さらにPeach Aviationは、日本の航空業界の常識を打ち破る勢いで誕生した、日本のLCCを代表する会社で、当初からブランド戦略に成功し、パイロット志望者から人気があります。

どちらの会社とも、自社養成採用試験を行っており、パイロット数も順調に伸びています。

平均と言っても、担当機種や国際・国内の違いなどで、平均年間給与は個人差が相当大きくなるものと思われます。

個人差は、機長の場合で、平均年間給与より400万円ほどのプラスマイナスがありそうです。

本記事の情報源である、厚生労働省発表の「賃金構造基本統計調査」とその読み方について以下のブログ記事にてまとめています。
パイロットになるためには統計表を自力で読み解くことも大切なスキルですので、是非こちらの記事もご覧ください。

パイロットの年収 エアドゥ(ADO)・ソラシド(SNA)・スターフライヤー(SFJ)・アイベックス(IBX)・ジェットスター(JJP)・フジドリーム(FDA)・オリエンタルエアブリッジ(ORC)・天草エアライン(AMX)

連結子会社ではありませんが、ANA(全日空)と資本関係または提携関係のある、ADO(エアドゥ)、SNA(ソラシド)、SFJ(スターフライヤー)、IBX(アイベックス)、ORC(オリエンタルエアブリッジ)。

同様にJAL(日本航空)と資本関係または提携関係のある、JJP(ジェットスター)、FDA(フジドリーム)、AMX(天草エアライン)のパイロットの年収について。

エアドゥ、ソラシド、スターフライヤーの3社は、有価証券報告書から従業員全体の平均年間給与が発表されています。

またスターフライヤーについては、その内訳が記載されており、令和4年度報告書によると、パイロットの平均年間給与が1300万円とされています。

3社とも、会社規模がほぼ同じであることや、従業員全体の平均年間給与額が、ほぼ横並びであること、エアドゥとソラシドは、ベースが羽田であるのに対し、スターフライヤーは北九州であることから考えて、エアドゥ、ソラシドの機長の平均推定年収は1900万円、副操縦士の推定平均年収は1200万円と推定スターフライヤーの機長の平均推定年収は1800万円、副操縦士の推定平均年収は1100万円と推定いたしました。

また、新興航空会社であるアイベックスとフジドリーム、LCCのジェットスター、地域航空会社のオリエンタルエアブリッジ、天草エアラインについては、決算報告書などから平均年間給与など開示がありませんでした。

ジェットスターについては、Peach Aviationに対抗するLCCですので、機長の平均推定年収は2000万円操縦士の推定平均年収は1300万円と推定、アイベックスとフジドリームについては、会社規模や地方都市を拠点としている点から考えて、スターフライヤーを参考に、機長の平均推定年収は1800万円、副操縦士の推定平均年収は1100万円と推定いたしました。

オリエンタルエアブリッジと天草エアラインについては、資料に乏しく推定に至りませんでしたが、地方都市がベースであることや、会社規模も小さいことから、新興航空会社よりも年収は下がることが予想されます。

繰り返しになりますが、大手ANAやJALよりも、機長の平均推定年収が低いですが、逆にANAやJALよりも、機長としての在籍期間は長くなりますから、生涯賃金(一生かけて得られる給与の合計額)は大差がなくなります。

パイロットの年収 シンガポール、台湾、香港、アメリカなど【海外航空会社】

例えば、シンガポール航空や、EVA AIRなど海外の航空会社はどうでしょうか?あくまでも噂話程度ですが、機長の年収5000万円なんていう話も聞くことがあります。

ここ数年、日本の中高生や学生さんを中心に、海外エアラインでパイロットになる方法を聞かれることが増えて来ています。躍進を続ける国々では、平均所得が向上しているのに、日本では平均所得が上がることはありませんでした。

そういった意味からも、将来的に日本で働き、日本で生活をするのではなく、海外の魅力ある地域に移住して、エアラインパイロットになりたい、と夢を見る若い方が増えるのも納得です。

実際、堅調な成長を続ける東南アジアや、発展が著しい裕福な国々では、エアラインパイロットの給与(年収)は、日本よりも遥かに高くなっており、人気の職業であることも事実です。

しかしながら、未だに、世界中のパイロットが、日本の航空会社で働きたくて問い合わせが多数来ることも事実です。どうしてなのでしょうか?

エアラインパイロットとして飛んでいる間は、世界のどの会社にいても、同様の職場環境であると言えますが、大切なのは、拠点として暮らすその国の医療や教育水準、環境汚染の度合い、紛争のリスクなども大切な要素であり、しかもその国に、自分の大切な家族が暮らすことを考えた時、高収入だからどこでも良い、とはならないはずです。

日本はそういった意味では、足りない点も多いですが、バランスは整っている国でもあると思いますし、例えば、大阪市は「世界で最も住みやすい都市ランキング」でウィーン、メルボルンに次いで3位になるくらいです。

別コラムの航空留学をお勧めしない理由をお読みいただければ理解できますが、日本人が日本でパイロットになることには、日本社会は相当寛容であると感じます。

海外でエアラインパイロットになるには、日本以上に厳しい現実が待っていて、金額的にも日本で成る以上の訓練費用がかかります。日本では訓練費用の多くを、航空会社や国など社会全体が負担してくれていますし、他の国籍のパイロットより日本人パイロットを積極採用してくれます。

どうしても海外で働きたい場合は、まず日本のエアラインで機長になって、その時に転職を考えられては?と思いますが、その頃にはきっと家族もできているでしょうし、その時の状況に合わせて、その時に考えられるべきかと思います。夢は素晴らしいことですが、世界全体を俯瞰できるようになれば、見え方も変わってくるはずです。

なぜパイロットの年収は高いのか?

コロナ禍の影響を現在も受けているとはいえ、パイロットの年収は他職種と比べて非常に高い水準となっています。

なぜパイロットの年収は高いのか??理由を考えてみましょう。

パイロットの年収が高い理由1:免許を会社に預けている

パイロットになるためには、フライト免許をまず取得する必要があります。

JAL(日本航空)、ANA(全日空)など自社養成採用では、会社が訓練費全額を負担する、ありがたい場合もあります。

通常は本人が、訓練費の一部を負担して、フライト免許を取得します。

なお、私大(航空操縦)だと「一部ではなく全額負担なのでは?」と思われる方もいらっしゃると思いますので、丁寧に説明を加えたいのですが、私大の場合、一人の訓練生を育てるのに4000万円以上かけており、本人が負担するのはうち半分にも満たず、私学助成金やら、学内で集めた寄付金などで残額を充てて運営されているので、全額とは言い難いと冨村は考えています。

(だからこそ先述の通り、日本人は恵まれていると申しております)

ジェネアビ(使用事業)でフライト免許を取得する場合、全額負担に近いかも知れませんが、奨学金も一部対象であるなど、一概には全額負担とは言い切れません。

話を本筋に戻して、訓練費を一部であっても本人が負担している以上、本人が取得した免許を、会社に預けて仕事をしているとも考えられます。

資格は自分への先行投資と考えるならば、資格の中でも、取得が難しく費用も高い操縦資格ですから、その分、給与として本人に還元されて当然なのかも知れませんし、そうでもなければ、優秀なパイロットの安定供給ができない、とも考えられます。

海外エアラインパイロットの給与が高いのも、資格取得までの費用負担が日本より高いことや、生活水準の違いなど、理由がある、ということですね。

パイロットの年収が高い理由2:各種手当が手厚い

前述しましたが、パイロットは通常時であれば、基本給以外に、乗務手当、宿泊手当、役職手当など、期末手当等特別給与額に相当する部分の各種手当を多く受け取ることができます。

また、どこのエアラインでもギリギリのパイロット人数で運航しているため、フライト回数も多くなり、さまざまな手当を頂けたとしても、決して楽して稼げるものではない、ということを覚えておきましょう。

パイロットの年収が高い理由3:リスクが少なからずある

パイロットはリスクのある職業とも言えます。

例えば健康リスク。

人間誰しも病気になることはありますが、パイロットは簡単に病気になることができません。

言い換えれば、パイロットは病気になってしまうと、簡単に復帰できないようになっています。

しかも普通の人であれば気軽に病院に行って治療を受けたり薬を飲んで済むことが、パイロットでは航空身体検査があるため、できなかったりします。

最悪の場合、地上に降りなければならず、復帰できない場合もパイロット全体の1割程度起こります。

そういったリスクに備えて、ロスオブライセンスという保険もあるくらいなのですが、給与が全額保証されるわけでもなく、リスクがある仕事と言えます。

パイロットの身体検査に落ちた場合は?

もし貴方がパイロットになる前の採用試験で身体検査に落ちたのなら、それは、本当に身体検査が理由なのかを疑うべきです。例えば自社養成採用試験の身体検査で落ちた方の多くが、身体検査のみが敗退理由ではありません。と言うことは、パイロットを諦める理由にはならないのです。方策は考えなければなりませんが、諦めずに相談いただきたいと思います。今まで何人も、自社養成採用試験の身体検査の敗退者を、大手エアラインに入社させた実績があります。

では、パイロットになった後に、病気や怪我で、航空身体検査に不適合となるケースは、一体どうなってしまうのでしょうか。パイロットを辞めなければいけないのでしょうか?年収は下がってしまうのでしょうか?不安に思うのも当然です。

結論から申し上げますと、いきなりパイロットを辞めなければいけないわけではなく、治療などを経て、不適合となったものを、適合に戻す作業(審査会にかけるなど)をしていきます。

審査会でも全体の1割程度は通過ができないケースが出て来まして、この時点でパイロットを辞める選択肢が出てきます。

持っている資格や経験が無くなるわけではありませんが、それらをパイロットとして使っていくためには、航空身体検査の要件を満たすなど、適合または審査会通過しておく必要があるのですが、それらが無ければパイロットとして飛ぶことは出来ません。

どうしても飛びたい、ということであれば、航空身体検査基準の緩い国で働く(そもそも日本はかなり緩い国ですが)か、事業用操縦士ではなくて自家用操縦士にすれば、条件が緩和され適合となる場合もあるかも知れません。

いずれにせよエアラインパイロットとして、日本のエアラインで働くことは、身体検査基準が変わらない限りは、極めて厳しくなった、と言えるでしょう。

この時点で、航空会社から、パイロットではなくて、他の職種への転換のお話をいただける場合もありますし、段階を経て、会社を辞める話に至るかも知れません。

そもそもパイロットの方は優秀な方も多いですので、それまでの経験を活かして別の仕事でも活躍される方が多いように感じます。

そもそも航空会社にパイロットとして在籍していた経歴は、規模の小さな航空会社であったり、航空関連の仕事(例えば、地上教官・運航支援・訓練支援・人材養成・航空会社経営などなど)で活躍が期待されますので、仕事が全く無くなる心配は無用に思います。

ある程度の年齢で辞めた場合には、貯金も十分に貯まって来ているでしょうし、会社を興すなどされる方も多いです。

ただし、パイロットという仕事に集中してきた期間、本来であれば社会人として習得したであろう常識が抜けていて、周りを驚かせてしまったり、詐欺など騙されるケースも多いため、注意は肝要です。

健康以外のリスクもあり

健康リスクだけではありません。

話すと長くなりますが、パイロット(特に機長)の仕事は、運航の最終責任者として、安全に関する責任を負うことです。

航空機の運航にはさまざまな職種が関わっているのですが、パイロットが唯一、人命を救うために最後まで諦めずに戦える職種でもあります。

仮に天気が悪かっただろうとも、整備不良であったとしても、それらを含めて、安全運航の最終責任者として戦わなければならないのです。

何百人という乗員乗客を乗せて運航するのがパイロットの仕事です。

大勢の命を預かるという、社会的責務の重さも、ある意味リスクなのではないでしょうか。

また、そういった厳しい職場環境であることから、人間関係の悩みで離職するケースや、様々な問題を起こして退職せざるを得なくなるケースも稀に起こることがあります。

全員に起きるわけではありませんが、健康リスク以外にも、いろいろなリスクが想定されますので、高校生や大学生のうちから、リスクマネジメントの考え方や、ストレスとどのように向き合うか、徹底的な自己分析が功を奏するはずです。

パイロットの定年は何歳?定年後はどうするか?

JAL(日本航空)やANAのパイロットの定年は60歳です。

また、同時に、航空法上定年という概念はありませんが、航空身体検査ルール上の上限は、68歳未満となります。

60歳〜68歳未満の間は、身体検査の基準がより厳しくなり、加齢乗員という枠に入ることになります。

では、実際、JAL(日本航空)やANA(全日空)のパイロットが、円満に60歳を迎えた場合、どうなるのでしょうか?
言葉の通り、定年を迎えますので、一旦パイロットとしての雇用はここで終了となります。

しかし、加齢乗員と身体基準を満たしていれば、まだ乗務が可能ですので、その場合は、会社から嘱託社員(有期雇用)として再就職することになります。

給与など待遇面や、雇用条件なども見直しされることになりますので、同程度の年収が頂けることはほとんどないと思われます。

同じ会社で再雇用される必要もありませんので、先輩パイロットなどから誘われて、他の航空会社のパイロットとして再就職したりするケースも多くあります。

ただ、会社からすれば、給与の下がったベテラン機長には多く乗務をして欲しいことから、本人が望む以上に勤務スケジュールを組まれてしまって、体力的に辛さを感じて辞めてしまったり、そういった話を聞いて、定年と同時に退職して、第二の人生を歩み出すパイロットも少なくありません。

パイロット採用と年収から考察する「パイロットになるには」まとめ

いかがだったでしょうか!

パイロットの年収は他職種と比較して魅力的ではありますが、それなりの理由があってのことだとご理解いただけたかと思います。

医師や法務従事者など、どのような職業にも言えることですが、初期投資やリスクのある仕事だから給与が高いわけで、パイロットが高給であることにも理由があり、多くの人間の命を預かり、一歩間違えば多くの人々の人生を破滅させてしまう、責任の重い職種であることを改めてご理解いただければと思います。

これからパイロットを目指される方にとって、今後もう少し継続するであろうコロナ禍で如何にパイロットを志望する熱意を保っていけるのか、またどの様に、この困難な時を過ごしたら良いのか、少しでもヒントになればと思い、以下にまとめます。

パイロットになるには時間がかかる

パイロットになるにはとても時間がかかります。

日本航空協会発行の「数字で見る航空」の統計から読み解くと、副操縦士になる年齢は29歳が平均です。(ちなみに機長昇格の平均年齢は41歳です)

大学卒業してストレートで副操縦士になる方は、かなり珍しいくらいで、35歳前後で副操縦士になる方もいらっしゃるほどです。

10年ほど前までは、「若ければたくさん機長として働いてもらえるので良い」とエアライン内で言われていたのですが、今ではむしろ「社会人経験とストレス耐性がある方が、安定感のあるパイロットとして育てやすい」とも言われています。

ですので、学生時代に留学やボランティア活動などで多くの経験をして学んできた方や一度社会人になられて、責任ある大人として社会経験をしてきた方がパイロットに求められてくるようになります。

いつからパイロットを目指しても遅くない時代が今すぐそこまで来ています。

年齢にまだ余裕があれば、コロナ禍だからこそ準備をするのもあり

パイロット志望者の世界では、浪人は決して珍しい話ではありません。

社会的に見たら、浪人は珍しいですし、厳しいのかも知れませんが、パイロットの中ではたくさんいます。

もちろん、ただの浪人生ではパイロットになれません。

前述の通り、留学やボランティア、他業種への就業経験など、中身の濃い浪人生活が送れるかどうかがポイントで、その点を面接などで上手に話せたり、年配者が認めるほど濃い浪人生活・人生経験があればむしろプラスに運びます。

だからこそ、パイロットになるには長期的な戦略が必要で、専門家の力を頼ってほしいと思っています。

コロナの今だからこそ、逆に時間を与えられたのだとプラスに考えて、どれだけ濃い時間を過ごせるかどうかにかかっているのではないでしょうか。

強い意志を持ったパイロット志望者には、ぜひ、PILOT専門進学塾の門戸を叩いてほしいと思っています。

そして未来につながる濃いパイロット浪人生活を送っていきましょう。

パイロット相談室では、パイロットを目指す方にとって参考になる情報の記事を公開、ご相談も承っております。

ご相談したい方は、こちらのボタンより気軽にご相談ください

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11/5(日) 11時〜  私大パイロット進路相談会(前半の部)

パイロット私大進路相談会では、私大操縦進学希望者向けにパイロット入試の専門家が丁寧にご相談に応じます。

どんなパイロットになれる私大があるのか、私大操縦に進学するメリットとはなんなのか、自分にあった大学選びをしたい、そもそも私大操縦ってなんなのか。様々な疑問があると思います。

学校や、他のスクールでは習うことがない、その答えを相談会内で伝授しますので、どうぞご参加くださいませ。

当日は、現役パイロットが参加し、座談会形式で交流することができます。(20歳以上の参加者様のみ、同日19時頃から開催予定のパイロットを囲んでの懇親会にご参加いただけます)

対象者は中学生以上です。私大操縦進学を検討されているご本人のみの参加若しくは、保護者様1名様までご同席可能ですが、保護者様だけのご参加はできません。必ずご本人様がお越しください。

現役パイロットと座談会をしよう!! 11/5私大パイロット進路相談会(11/5前半の部)

11/5(日) 14時〜  自社養成&私大操縦パイロット進路相談会(午後の部)

自社養成&私大操縦パイロット進路相談会は、自社養成志望者と私大操縦進学希望者向けにパイロット入試の専門家が丁寧にご相談に応じます。

自社養成・私大操縦の基本情報の説明だけでなく、自社養成のための進路相談やインターシップ相談、SPI対策相談など、自社養成に特化した個別相談と、私大操縦のための進路相談、面接対策相談、学科相談など、私大操縦進学に特化した個別相談を実施致します。

自社養成についての事前情報を持っているのとそうでないのでは、合格率に大きな違いがあります。現在、自社養成受験を考えている方は、是非ご参加下さい。私大操縦志望者の方も同じく、事前に確かな情報をゲットして、対策するようにしましょう。

当日は、現役パイロットが参加し、座談会形式で交流することができます。(20歳以上の参加者様のみ、同日19時頃から開催予定のパイロットを囲んでの懇親会にご参加いただけます)

自社養成、または私大操縦進学を検討されているご本人のみの参加若しくは、保護者様1名様までご同席可能ですが、保護者様だけのご参加はできません。必ずご本人様がお越しください。

現役パイロットと交流できるチャンス!! 11/5自社養成&私大操縦パイロット進路相談会(11/5後半の部)

PILOT専門進学塾 2024年度新規入塾者募集開始

JAMBOが運営するPILOT専門進学塾・シアトルフライトアカデミーの2024年度新規入塾者の募集が開始されました。

PILOT専門進学塾では私大航空操縦・航空大学校受験対策、自社養成対策と有資格者転職対策といった多くのコースをご用意しております。

[告知] PILOT専門進学塾 2024年度 新規入塾 募集開始します

PILOT専門進学塾に入塾するためにはパイロット適性診断テストを受験していただく必要があります。

パイロット適性診断テスト特集

パイロット適性診断テストのご予約

パイロット適性診断テストのご予約は、パイロット相談室の「相談予約」にて承っております。

パイロット適性診断テスト特集

2023年度合格速報

2023年、PILOT専門進学塾・シアトルフライトアカデミー(PJ SFA)の私大パイロット養成コース(航空操縦)今年の合格者は・・・

  • 崇城大学5名(研究生-履修証明プログラム生-1名、パイロット特別選抜2名、一般選抜前期2名)
  • 第一工科大学2名(一般試験2名)
  • 東海大学1名(一般選抜)
    計8名合格

という結果でした!
またしてもPJ SFAの生徒は全員合格です!!(複数試験合格者含む)

皆さん本当によく頑張りました!

また、今年の崇城大学合格者の2名は未来人育成特待生制度「ミライクプレミアム」と「ミライク50」を勝ち取りました。昨年に続く快挙です!

ミライクプレミアムは入試の得点率と成績順位に応じて選考される特待生制度で、ミライクプレミアムを獲得しますと学費が全額免除となります。

また今年は、崇城大学の中でも自社養成訓練生並の実力がないと入学できないとされる研究生(履修証明プログラム生)の募集が2名あり、弊塾から1名がチャレンジし、見事合格しました!なお、もう一名の方は、PJ中部校に加盟している「飛鳥メディカルクリニック」福本先生の受検者様との情報が入っています。

ミライクや研究生に選ばれることは名誉なことでもあり、かつ、大変難しいことですが、生徒の並々ならぬ努力の結果、今年はPJ SFAから3名が合格をいただきました。

昨年は、私大受験生が多い年でしたので、計12名の合格。それに続いて、今年は8名となると、少し寂しい感じもしますが、そもそも入塾者数に波がありますので、むしろ来年受験生の方が多いため、今後にご期待頂けましたらと思います。私大のパイロット養成コース(航空操縦)は近年の受験者数増加により非常に難易度の高いものとなっていましたが、弊塾からの受験者数が少ないにも関わらず、これだけ多くの好成績を残せたのは、誠に素晴らしい結果と考えます。

生徒一人ひとりの努力が実ったこの結果に、PJ SFAスタッフ一同大いに感動しました。

合格されました皆さん、本当におめでとう!!