パイロットになる私立大学を訪問・分析「崇城大学 航空操縦学専攻」をご紹介します 2023年最新版 

パイロット志望者の皆さまこんにちは!パイロット養成コンサルタントの冨村です。

今回のコラムでは、崇城大学(そうじょう)を中心に、私立大学パイロット養成コースについて分析し、ご紹介させていただきます。

崇城大学1
崇城大学1

パイロットを志望される方にとって、大学など進路選びは、とても悩ましいものですよね。

このコラムをお読みいただくことで、パイロットになるための私立大学をどのような観点で選ぶべきなのか、大学説明会やオープンキャンパスではどのようなことに注意が必要でどのような気配りが必要なのか、皆さまのお悩みを解決していきたいと思います。

  • この記事は、冨村があくまでも公平な立場から、パイロットになるための進路選択にあたって、正しく比較検討する方法を述べているコラムで、特定の進路にだけに絞ってお勧めするものではありません。
  • パイロット志望者ご本人様だけでなく、保護者様向けの内容も含めております。

どうぞ最後までじっくりお読みください。

崇城大学はやっぱり凄い 訪問した人にこそ分かる!その魅力とは?

崇城大学は、日本で唯一、大学が航空会社と同じ機能(航空機使用事業者)を運営している大学です!

定期路線を持つエアラインではありませんが、それでも、航空会社を持つ大学、というだけで実は凄いことなのです。

日本の私立大学の中で、エアラインパイロットの養成を行っている主な大学は、以下の大学があります。カッコ内は募集人数です。

  • 東海大学(募集40〜定員50)
  • 桜美林大学(40)
  • 法政大学(30)
  • 崇城大学(20+10)
  • 第一工科大学(30)
  • 千葉科学大学(20)

日本には、エアラインパイロットの養成を行っている主な私立大学が6大学もあるのですね。

それに対して、国土交通大臣による航空機使用事業(訓練事業)の許可を得て、整備から運航管理まで、学内で実施しているのは、崇城大学(学校法人君が淵学園)だけなのです。

他の5大学は、例えば、国内にあるフライトスクール(本田航空など航空機使用事業者)や、海外の大学などに訓練を委託して、訓練を行なっているため、大学が直接、実機訓練を行なっておりません。

崇城大学は、大学が実機訓練を行なっているという意味で、大きな特徴の一つとなっているのです。

崇城大学2
崇城大学2

航空機使用事業・指定養成施設 とは? エアラインパイロット養成を行う大学によって大きな違いがある

航空法という法律に基づき、国土交通大臣による許可を得て、航空機を使用して事業を行うものが、先述の、航空機使用事業ですが、一方で、指定養成施設というワードもあるかと思います。

実は、この二つは全く異なるものです。

指定養成施設(指定航空従事者養成施設)というのは、航空機を使用している、していないに関わらず、航空法に定められた基準に適合し、国土交通大臣から指定を受けた操縦士等の養成施設のことを指します。

自動車教習所でも、公認(指定)と非公認(指定外)があるかと思いますので、同様とお考えください。

通常、操縦訓練を終えて、資格取得段階(最終審査段階)に入りますと、国(国交省航空局)による実地試験が行われるのですが、指定養成施設の課程を修了した訓練生に対しては、その施設内の技能審査のみで、技能証明書(操縦資格等)が交付されるというものです。

なお、日本の私立大学で、指定養成施設を持っているのは、東海大学(ノースダコタ大学)と法政大学(本田航空)の2校となります。

説明を読む限りでは、指定養成施設の方が、関門が減って、パイロットになれる可能性が高いように見えますが、実際は逆の現象が発生します。

そもそも指定養成施設の仕組みは、国交省が増大する実地試験の回数を軽減するためのものであり、本来であれば航空局による実地試験を、民間養成施設に任せることで、国は技能証明書交付をより円滑に行うことが出来るようになります。

ただし、実地試験で不合格となるような訓練生を、実地試験もなくエアラインパイロットにするわけには行きませんので、指定養成施設には、厳格な技能審査が国から要求され、結果的に、さまざまな理由から起こりうる訓練遅延など理不尽な理由で、訓練が中止(エリミネート)となる(トラブル)が多いのです。またその場合、復帰や再訓練することもできません。

崇城大学は、指定養成施設にはなっておらず、訓練生本人のペースや意思を尊重し、実力勝負で国の実地試験を受けていただく方針とのことです。実地試験もまた、簡単に受かるものではありませんが、実地試験に落ちた場合でも、再訓練等を経て、再び実地試験を受けることが出来ますので、技能審査により訓練中止が突然決まる指定養成施設と違って、その点も安心できますし、大学比較のポイントのひとつとなると思います。

崇城大学4
崇城大学4
崇城大学5
崇城大学5
崇城大学10
崇城大学10

気になるエアライン就職率について 就職率の計算方法もいろいろある

崇城大学から、エアラインパイロットとして航空会社に就職した、いわゆる就職率は、90%程度と言われております。

これは、途中でエアラインパイロットに必要な第一種身体検査に不適合となった場合や、志望者本人や保護者様の希望で、訓練途中で訓練中断した場合を除いた人数、すなわち卒業者を母数として試算した数字とのことです。

志望者や保護者の皆さまが気になるのは、大学入学してから、どれだけの確率でエアラインパイロットになったか、つまり、大学入学者数を母数とする就職率だと思います。

つまり就職率と言っても、計算根拠が一律ではありませんので、注意が必要です。

ちなみに、大学によっては、就職実績を公表されているところもありますので、入学者数と実績から、同様に就職率を算出できますので、皆さまも比較検討の材料とされることをお勧めします。

また、国土交通省航空局が監修し、日本航空協会が発行している統計書「数字で見る航空」によると、令和2年度(コロナによる影響が出る前)に主要航空会社に供給された訓練生数が、私立大学全体からは98名とあります。主要航空会社とは、日本にある路線運航会社の大半が含まれていて、逆に98名に含まれないのはIBX・FDA・ORC・AMXくらいです。この4社の採用数も合わせると、約110名が日本の私立大学から供給されていると推計できます。

私立大学全体の募集人数は、毎年約200名ですが、定員を充足していない大学や、入学直前の辞退者もあることを考えると、約180名が入学していると思われます。すると、110/180になりますので、私立大学全体では、約61%の就職率であることが推計できます。

従いまして、崇城大学の90%という就職率は、私立大学の中でも平均以上、おそらくトップクラスと思われることが分かるかと思います。

昨今のコロナ禍や、世界的なセスナ機エンジン不足の影響等を受けて、崇城大学を含む全国の訓練所において、訓練の進捗が遅れ気味であること。また、コロナ禍で一時的に経営が悪化したエアライン側の採用数削減もあり、他大学同様、就職活動に苦戦を強いられていたようです。

しかしながら、コロナ禍後の航空需要の回復と共に、どのエアラインもパイロットを含め人手不足に直面しており、2030年問題とあいまって今後はパイロットニーズが益々高まることが予想されております。

コロナ禍で一時的に就職率が下がってはおりますが、長期的に見れば崇城大学をはじめ、私大航空操縦への入学は、チャンスと捉えるべきと、冨村は考えます。

崇城大学8
崇城大学8

崇城大学から就職先の航空会社についても気になる

続いて、就職先の航空会社に関する分析です。

パイロット志望者の方の多くが、早期段階で志望されるのが、ANAやJALなど大手航空会社であることは明白です。しかし、面白いことに、業界の中に入り、いろいろな情報が入り、働きがい(生きがい)とは何かを考えるうちに、大手航空会社だけに目が向いていた方でも、次第に、子会社や国内線のみの会社、そしてLCCなど、それぞれの魅力に気づき、志望を変えていきます。

つまり、大手航空会社に就職が多いことだけが、良い大学かどうかの目安ではない、ということを先に申し上げます。

崇城大学の第1期生〜第11期生(研究7期生)までで、JALに就職したのは16名。ANAは13名です。つまり、コロナで採用数が調整局面に入るまでの数年間は、JALまたはANAに、毎年3〜4名が採用されている状況でしたので、母数が約20名とすると、他学と比較しても遜色ない大手就職率であることが分かります。

続いて、準大手のSKYは14名。そして大手2社のそれぞれ筆頭関連会社である、ANAウイングスは23名、ジェイエアは19名です。これら3社は、崇城大学訓練生の中で、「離着陸回数を多く経験できて早く機長になれる」と言われており、人気の高い会社であるが故に、就職実績も人数が多くなっていることが分かります。

ここまでの5社で、崇城大学全体の就職実績の約60%を占めているため、就職実績についても、他学や航空大学校の就職実績と比較しても、遜色ないか、むしろ私大航空操縦のトップクラスの実績を誇ることが分かります。

崇城大学9
崇城大学9

崇城大学の訓練環境について気になる まるで航空会社な空港キャンパス

崇城大学は、ひと学年で約20名の学部生が在籍しています。履修証明プログラム生(旧名称:研究生)は、約10名ですが、その大半が、JALグループ子会社(JTA・JAC・RAC)が実施している自社養成プログラムの訓練生を受け入れており、公募枠は若干名です。

1年生と2年生の前期までは、崇城大学池田キャンパスにて、他学部の学生さんと一緒に勉学を共にしますが、2年生の後期から、熊本空港キャンパスにある学生寮に入寮することになります。また、希望者等には、自家用など一部の訓練課程を海外訓練所(オーストラリアのアデレード)にて行うプログラムも用意されています。

熊本空港キャンパスには、約85名の訓練生が在籍していることになりますが、そこに大手エアライン等出身の訓練教官や座学教官が45名ほど、運航管理者や整備士、事務職員なども加わり、総勢150名ほどで、14機の訓練機を運航していることになります。

訓練機ですから、機体サイズこそ小型ではありますが、エアラインで運航されている大型機と同じく、コックピットには2名の座席があるわけで、14機の航空機を運航している規模は、実に、中規模の航空会社と同じ程度の運航便数となるわけで、大学というよりも、まるで航空会社の中で訓練をしている形になるわけです。

これは、他の大学ではみることができない光景でもあり、私立大学を検討されている方は、一度、現場のリアルを感じていただくべく、崇城大学のオープンキャンパスにもまた参加されるべきと思います。

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崇城大学 航空操縦学専攻 空港キャンパス施設見学会2023

全ての私大航空操縦の説明会やオープンキャンパスに参加すべきその理由とは?

どの私立大学に進むべきか、はたまた、自社養成や航空大学校に進学するために、一般大学に進学すべきか、悩まれる方が多いと思います。

そんな悩まれる方だからこそ、崇城大学だけではなく、競合する他大学の説明会・オープンキャンパスに参加して、比較検討をされるべきでしょう。

なぜ比較検討をすべきなのか。それは、進路選択は、もっと冷静に、客観的に行うべきだからです。

私大航空操縦に進学検討すると、多額の訓練費など、金銭面での問題に直面するということもあり、特に保護者様にとって、目を背けたくなる状況にもなることでしょう。

そうすると、金銭的に安価に見える進路選択を、安易に行なってしまい、結果的にパイロットになれる可能性を狭めてしまっていたり、パイロットになるために、私大航空操縦に通う以上の金銭的負担になってしまうケースが後を立ちません。

表面的なものに流されずに、冷静に比較検討してみると、これまた、私大航空操縦への進学は、決して割高でもないことが分かるはずです。

  1. 表面的な情報に流されない
  2. 現実から目を背けない
  3. ネット上にありふれたデマ情報に騙されない

以上に気をつけるためには、自分の足で、複数校の、説明会やオープンキャンパスに出向き、先生方に質問を投げかけて、比較検討する以外に道はないのです。

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崇城大学 航空操縦学専攻 説明会2023 6/11(日)大阪 6/18(日)東京
崇城大学 航空操縦学専攻 空港キャンパス施設見学会2023

私立大学の説明会やオープンキャンパスに参加する際の注意点は?

いよいよ、志望校を3〜4校程度まで絞って、説明会やオープンキャンパスに行くことになったとしましょう。

その時に注意すべき点は、「良い話だけを聞かないようにすること」です。

どの大学も、説明会の際に嘘を言うことはまずないと思いますが、都合の悪いことは触れない可能性が高いです。それは、大学説明会に限ったことではなく、会社説明会でも同様で、時間が限られた中で全てのお話しすることは難しいわけですから、意図的に隠している、と言うわけではないと思います。

崇城大学のように、「良いことも悪いことも包み隠さず話す」と宣言されて説明会を始められる大学もありますから、聞き手も、良い話だけではなく、苦労話、失敗話、お金がかかる話などにも、目を向けるように、必要に応じて質問をされるべきです。

無論、そういった、大学側が答えにくそうな質問を投げかけた時、誤魔化すようなことがあれば、その大学はお勧めできません。

崇城大学 空港キャンパス訪問中のPJ SFA生

そもそも、パイロットを志望する者としての心構えとは? 私立大学の説明会やオープンキャンパスに参加する前から注意

大学や進路を絞り込んでいく際に、よく勘違いしやすいのが、「大学が訓練生をパイロットに育てている」という誤解です。

説明を受けていくうちに、まるで催眠術にでもかかったかのように、「この大学が私をパイロットに育ててくれるんだ」と勘違いする方がいらっしゃいます。これはとても危険な誤解です。

どの大学も同様に、そのような他力本願な訓練生には入って欲しくないと考えています。

パイロットになるのは、志望者である貴方であって、大学の先生方や過去の実績から、いつの間にかパイロットになれるわけでは全くありません。

言い換えれば、入学者数を増やしたいあまり、甘い話ばかり並べてくる大学やスクールは、進路として全く信頼できないとも言えます。

エアラインパイロットになるまでには、幾多の関門を超えていかなければなりません。決して簡単なことではないのです。

崇城大学 私大航空操縦 ご紹介 まとめ

崇城大学を中心に、私大航空操縦の紹介、そして大学説明会やオープンキャンパスへの参加についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

ここを読んでくださっている方は、ほとんどの方が、航空業界(パイロット養成業界)のことをまだ知らない方だと思います。

まだ知らないことがあるからこそ、発信者が特定できないネット情報は、仮に自称パイロットの方であっても、基本的にデマだと思って、控えるべきですし、大学の先生方のご説明についても、注意深く聞かれるべきだと思います。

感覚的に、信じられそう、とか、安心できそう、といった理由で、安易に選ばないように、この知らない業界全体をよく見渡してみて、状況把握から努めていただければと思います。

ただし、深く知れば知るほどに、自信がなくなる方もいらっしゃるのも事実です。

でも、それで気持ちが萎えてしまうのなら、それは自らフルイにかけられたのだということ。

他力本願な方同様に、やらない理由(言い訳)ばかり探している方も、なかなか成長しませんから、リアルに生きていく覚悟を決めて、一生かけてやりたい仕事にこだわり続けて、一つずつ積み上げて行って欲しいと思います。

そんな一生懸命さんを、PILOT専門進学塾・シアトルフライトアカデミー・パイロット相談室のスタッフ一同、心から応援いたします!

がんばれ受験生!

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崇城大学 航空操縦学専攻 2023
崇城大学 航空操縦学専攻 2023 説明会 オープンキャンパス

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