パイロット採用計画とパイロット年収 コロナの影響?2021年最新版

パイロット採用とコロナ影響 2020年度報告

皆さんこんにちは。

お馴染み、パイロット養成コンサルの冨村です!

今年の梅雨入りは平年よりだいぶ早かったですが、梅雨明けも平年より早い予報とのこと。

春の日照時間が短く、暑い夏は長くなり、農作物の生育に影響が出そうです。

そんなこの梅雨の時期、毎年発表される統計があります。

パイロット志望者の皆さんが、とても気にしている、例の統計です!!

それは・・・

賃金構造基本統計調査になります!

また、この時期になると、エアライン各社の採用傾向も見えて来ます。

特に2020年は、新型コロナウイルス蔓延に伴い、航空業界にも激震が走りましたので、パイロット志望者の皆さんにとって、各社の採用傾向は、とても気になるところかと推察します。

このコラムでは、2020年度の報告と、2021年以降の予想と対策を、統計資料なども交えて、解説したいと思います。

エアライン旅客数の減少 コロナの影響は?

毎日のようにメディアを騒がせております通りで、2020年度は航空業界にとって新型コロナの影響は大変大きかったといえます。

国連の専門機関ICAOが発表した内容によると、全世界で、コロナ前との比較で、航空旅客数は実に60%も減少したそうです。

日本のエアラインに限定してみると、、、

国土交通省が2021年3月31日に発表した、令和2年分(年報)航空輸送統計によると、2020年(令和2年)の国内線旅客数は4,674万人で対前年比56.2%減でした。

また、同年、国際線旅客数は436万人で対前年比81.4%減でした。

昨年の今頃を思い出してみると、得体の知れない新型コロナウイルスに、多くの国民が動揺し、都道府県を跨いでの移動など自粛しましたので、当然、そうなるだろうな、といった結果かと思います。

2021年に入り、コロナ危機は未だ脱してはいないものの、コロナ自粛疲れや、経済活動をこれ以上止めることが出来ないなどの理由もあってか、人出や航空旅客数も全国的に回復傾向なことから、航空会社にとっての危機から、徐々に脱しつつあるのではないかと、個人的には思っています。

実際、JAL、ANAが発表した、2021年ゴールデンウィーク中の旅客数は、昨年比でJAL7.7倍、ANA11.2倍と発表されています。

無論、日本はコロナ危機から脱しているわけではありません。

国内の感染者数がまた大幅上昇し、また旅客数が大幅に減少に転じる可能性がないわけではありません。

コロナウイルスは変異型のものですから、ワクチンがどの程度対策に有効なのかは未知数です。

しかし、得体の知れないウイルスだったものから、社会全体がコロナと共存し、経済活動を極力止めない方向に動きつつあるのではないでしょうか。

エアライン各社の収支 コロナの影響は?

エアライン各社とも、軒並み大幅な減収・赤字転落が報告されておりますが、一番気になるのはJALとANA。

2021年3月期の通期決算(1年間)を確認しましたところ、、、

JALは、グループ連結売上高が、前年同期比65.3%減の4812億円、利息および税金控除前利益が3983億円の赤字となりました。

自己資本比率は45.0%を確保。

21年3月期末での手元流動性(自社で使い道を決めることが出来る資金)は、現金・預金など4083億円とは別に、コミットメントラインで3千億円を確保し、計7000億円となっています。

一方でANAの売上高は、同63.1%減の7286億円、営業損益が4647億円の赤字となりました。

自己資本比率は31.4%となり、昨年度より10%のマイナス。

手元流動性についてANAは、21年3月期末の時点で、十分に確保されていると報告。

2020年9月時点での手元流動性は、現金・預金など計4522億円を確保しています。

分かりやすく言うと、手元の資金がある限りは、赤字をまだ乗り越えられる体力はあるものの、新型コロナウイルスに伴う経済活動や、旅客数推移など、先行きが不透明なため、各社とも体力勝負になって来ているものと思われます。

世界規模でみると、資金力に難があるLCCだけでなく、各国のフラッグ・キャリアもコロナにより倒産したり、国から補助を受けて再生中のエアラインが多い中で、日本はまだ余裕があると思っています。

航空業界に限った話ではありませんが、日本国内の大企業は、世界で稀に見るほど企業内に内部留保を持っており、突然のコロナ禍で世界中の大企業が資金繰りに苦労する中で、475兆円と算出されている潤沢な内部留保により、うまく持ち堪えられていると世界から着目されています。

コロナの影響が、いつまで続くかは定かではありませんが、人出、旅客数推移、JALやANAの手元流動性、そして日本の大企業が持つ内部留保を考えると、まだ日本は恵まれていると考えるべきではないでしょうか。

あまり悲観的になるべきではありません。

2020年のエアラインパイロット採用の傾向

新型コロナによる影響で、エアライン各社が難しい舵取りを強いられる中で、パイロット採用にも変化のあった1年となりました。

パイロット志望者にとって、とても気になるのが、エアラインパイロット採用が減少傾向でないかどうか。

結論から申し上げると、傾向こそ変わったものの、採用数のボリュームが大きく減少したわけではなく、現時点ではさほど心配は要らない、と言えます!

パイロット採用数に、コロナは影響少である理由

それは、、、

エアラインパイロットの養成には、航空会社にとっても長い時間がかかるからです。

資格を取る前から換算し、副操縦士になるまで最短でも約6年。

副操縦士になってから機長になるまでは、平均でも9年を要します。

すなわち、エアラインに対して運航することによって利益を出せる存在(機長)となるまで、15年もの長い年月がかかるのです。

コロナによって、少しでも経費削減が求められるため、各社とも余剰人員を一時的に他企業に派遣したり、新規採用を止めるなど、経費削減策を取っておりますが、パイロットは養成期間がそれだけ長くかかるため、何年も先を見越して採用する必要があることから、採用を止めることが出来ないジレンマがあります。

採用のあり方(傾向)を見直して、経費削減をすることは出来るでしょうけど、採用数を減らすことは、コロナ後の経済反動を考えると、なかなか踏み込めないのが実情です。

また事業用パイロット養成には、一人あたり4000万円から6000万円の養成経費がかかりますが、パイロット養成所には、訓練生数×養成経費がかかるほど、莫大な規模となるわけで、経費削減が必要だからと言って、それだけでは施設を簡単にクローズできない理由もあります。

クローズするのは簡単なんです。

でもその規模のものを、また一から作り直すのには、どれだけの予算と時間がかかると思いますか?ということなのです。

そういった事情も踏まえて、各社の傾向を解説したいと思います。

JALのパイロット採用 例年通りか強気

JALといえば自社養成ですね!

JAL自社養成採用は、今年はANA自社養成採用が行われなかった(ANA後述)ことから、強気で行っています。

例年ではANAや外資系など他社に取られてしまっていた優秀な人材が、コロナ禍による採用減によって、JAL自社養成に集まりやすくなっており、JAL採用は、これを好機と捉えているようです。

JAL自社養成採用数は、例年通りの採用数か、もしくは少し多い人数と予想しています。

有資格者採用についても、私大航空操縦、一部使用事業(会社限定)からの採用を積極的に行なっています。

航空大学校からの採用については、JALとしては積極採用したいものの、採用試験の順序の問題もまだ残っており未知数です。

有資格者採用は、自社養成採用と比較し、比較的短期間で副操縦士昇格へ至り、結果、経費削減になるため、なるべく有資格者から採用しておきたいところですが、有資格者全員が適性など条件を満たしているわけではなく、有資格者採用で確保できない場合は、自社養成採用を増やす可能性もあるかも知れません。

ANA(ANAwings)のパイロット採用 自社養成採用は中止

今年は自社養成採用がなく、パイロット志望者の無念さの声がよく聞かれますが、ANAとしてはJAL同様に、経費削減のためにも、なるべく有資格者採用にしたいことと、海外で行われる自社養成訓練にはコロナのリスクが伴い、長期計画が立てにくいことから、自社養成採用が中止となったものと推察します。

自社養成採用が中止となった=パイロットの採用を全くしない、というわけではないと思いますよ!

また、ここ数年間、世界のパイロット基礎養成方式に学び、MPL方式を採用したANA自社養成ですが、実は世界では信頼性の観点からMPL終了の流れが出て来ているのをご存知でしょうか。

そもそも日本のパイロット養成は、MPL以前から、最短訓練時間でのエアラインデビューを続けて来ましたので、ANAとしては、MPLのメリットがあまり見出せず、コロナでの経費削減に合わせて、脱MPL(すなわち訓練プログラムの作り直し)に踏み切った可能性もあるかも知れません。(※冨村のあくまでも個人的な予想です)

スカイマーク(SKY)のパイロット採用 有資格者採用に期待

例年では秋口に行われているスカイマーク(SKY)自社養成は、実施されませんでした。

SKY自社養成訓練は、オーストラリアのアデレードで現在も行われておりますが、コロナの影響もあって、日本の免許への書き換えや、日本の事業用免許取得のための訓練や、B737のタイプレーティング取得のための訓練などに徐々に遅れが出て来ていることが原因の模様です。

SKYとしては、自社養成パイロットを採用したところで、訓練投入までの時間が長くかかってしまい、結果、コロナで人員削減したい状況下に、かえって余剰人員を増やしてしまう結果となるための一時的な措置なのではないでしょうか。

SKYの有資格者採用は、今も行われており、私大を中心に・航大・使用事業からも採用継続されています。

JAL系子会社のパイロット採用(ジェイエア・JTA・JAC・RAC)

昨年から再開したジェイエアの自社養成。今年からJAL自社養成と同時並行で行われています。

人数規模としてはさほど大きくありませんが、会社規模で考えれば、積極的に採用していると言って良いかと思います。

自社養成訓練(基礎課程)は、SKYと同じオーストラリアのアデレードを予定しています。コロナの影響も現時点では少ない模様です。

一方で、JTAとRACは、沖縄県内(特に琉球大学)から自社養成パイロットを採用しています。

人数は若干名で、基礎訓練は崇城大学に委託されています。

JACも鹿児島大学と連携し、自社養成パイロットを若干名採用。各社とも地域連携のため、パイロット志望者が誰でも受験できるわけではありません。

ジェイエア・JTA・JAC・RACともに、有資格者採用も行なっています。

特にジェイエアは、コロナ禍においても、私大から積極的に有資格者を採用している模様です。

パイロット採用2020年 まとめ

コロナ禍で採用数が減ったと思われているパイロット採用ですが、長期的スパンで考えれば、訓練プログラムを見直すなど理由もなしに、訓練を止めることは得策ではないため、採用は今も続いているのが現状です。

パイロット志望者の方からすると、パイロット採用の傾向が変わるだけで、出鼻を挫かれたように感じられる方もいらっしゃることとは思いますが、専門家からの最新の情報を元に戦略を正しく立てることと、コロナのこの時期をパイロットに必要な適性を身につける時間として、有効活用いただきたいと思います。

パイロット年収は10年連続1位

続いて、パイロット志望者なら誰もが気になる、パイロットの年収の話です!

厚生労働省から、2021年5月21日に発表された「賃金構造基本統計調査」から、会社員の年収で、航空機操縦士(大半がエアラインパイロット)は1位となりました!

パイロットの年収は医師や法務従事者(弁護士等)を抑えて堂々の1位となります。

結論から申し上げると、大手エアラインに入社すれば20代(訓練生・副操縦士合わせての平均)で年収600万円以上、定年間近の50代後半ならば3000万円以上が平均値となっています。

賃金構造基本統計調査からパイロット年収読み解く

まず初めに賃金統計を読み解くにあたり補足説明

パイロット志望者にとって、統計を読み解く力も必要とされますので、賃金構想基本統計調査をどのように読むのか、まず解説をしたいと思います。

ちなみに賃金構造基本統計調査のファイルは、ネット検索などからExcelファイルにて入手可能です。

このコラムに貼付する表は、厚生労働省が出している「令和2年 賃金構造基本統計調査」を元にまとめたものになります。

この表を分析することによって、年齢・性別、職業別の平均的な賃金を知ることができるのですが、まずは用語の解説から。

きまって支給する現金給与額とは

労働契約や就業規則などによってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によって支給された現金給与額を指します。

手取り額ではなく、所得税や社会保険料などを控除する前の額となります。

基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などが含まれます。
※単位が「千円」になっているので注意!例えば1000だったら、100万円ということになります。

所定内給与額とは

所定内給与額とは、時間外手当(残業代)や休日出勤手当などの超過労働給与額を差し引いた額を指します。

年間賞与は期末手当等特別給与額(いわゆるボーナス)です。

更に時間外手当(夜間など)があったり、国際線パイロットは業務上で海外での宿泊をする時に支給される手当などが加算され、最終的な想定年収は表にある通りとなります。

労働者数の定義

まず、前提条件として「常用労働者」というのは、1ヶ月以上の期間を定めて雇われている労働者(契約社員・アルバイト)、期間を定めずに雇われている労働者(正社員)全てを含みます。

パイロットのアルバイトは聞いたことありませんが・・・

(※単位が「十人」になっているので注意!)

事業所規模の定義

この統計は、事業所規模別のデータとなっており、労働者数が10〜99人の小企業。労働者が100〜999人の中企業、労働者が1000人以上の大企業に分類されています。

パイロットが勤める企業規模が1000人以上の会社ともなると、JAL・ANA・SKYなどの大手エアラインなどとなり、100〜999人は子会社や新興航空会社やLCCといったそれ以外のエアラインが当てはまるものと推察します。

さっそく統計から、パイロットの年収を探ってみよう!

用語の解説を踏まえた上で・・・

さっそく統計を元に作成した表から、読み取って行きましょう!

パイロット年収は、2011年(平成23年度)以降、10年連続で1位

実に、エアラインパイロットの年収は、2011年以降、10年間も連続して1位となっています。

パイロット志望者にとって、何度聞いても心躍る話ですよね!

パイロットの年収が比較的高いことは誰もが知っていることですが、他職種と比較して、どの程度高いのかを見てみましょう。

職業比較表からパイロット年収を解説

平均年齢きまって
支給する
現金給与額
所定内
給与額
年間賞与
その他
特別給与額
想定年収労働者数
(調査数)
(単位)(歳)(千円)(千円)(千円)(千円)(十人)
航空機操縦士43.81228.01214.02516.417252.4348
医師45.51102.3990.81175.614403.212873
法務従事者46.0648.4640.51006.08786.8801
大学教授(高専含む)57.6654.4651.62880.510733.37154
令和2年賃金構造基本統計調査から抜粋 <職業比較>JAMBO作成

職業別の比較のため、賃金構造基本統計調査から、上位に入る職種を抜粋してみたのが、上の表になります。

なお、賃金構造基本統計調査には想定年収という欄はありませんが、「きまって支給する現金給与額」の12ヶ月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足したものを、想定年収として、分かりやすく表示しています。

ご覧いただいた通りで、航空機操縦士(パイロット)が、想定年収で1725万円と1位となっています。

これはパイロットの全年齢の平均であり、機長も副操縦士も、パイロット訓練生や、使用事業パイロットなども含まれての平均値です。

3480人の調査データとなっていますが、日本のエアラインパイロットは7000人いるため、全員が回答している調査データではないということになります。

また、この統計は、あくまでも雇用されている労働者(分かりやすく言えばサラリーマン)のみが対象となっているため、2位にランクインしている医師には、開業医が含まれておらず、開業医も含めると、もしかすると、1位と2位が逆転するのでは?と言われたり、法務従事者でも弁護士に限定すれば、もっと高くなる、とも言われていますが、いずれにせよ、たくさんある職種の中でも、かなりの高収入と言えるのではないでしょうか。

パイロットの年収が他職種と比較して高い理由

パイロットの年収は、どうして他職種と比較して、それだけ高いのでしょうか。

そこには高いなりの理由があるのです。

パイロットの年収が高い理由1 免許を会社に預けている

パイロットになるには、まずフライト免許を取得する必要があります。

JAL、ANA、SKY自社養成採用のように、会社が訓練費全額を面倒見てくれる場合もありますが、通常は、訓練費の一部を本人が負担して取得します。

なお、私大航空操縦だと「一部負担」ではなく「全額負担」なのでは?というツッコミがありそうなので説明を加えますが、私大航空操縦の場合、一人の訓練生を育てるのに4000万円以上かかっており、うち本人が負担するのは半分弱。残りは、私学助成金や学内で集めた寄付金などで運営されているので、全額とは言い難いでしょう。

使用事業(ジェネアビ)で免許取得する場合は全額負担に近いかも知れませんが、奨学金などのシステムもあり、一概には言い切れません。

話の本筋に戻して、訓練費を一部であっても本人が負担している以上、本人が取得した免許を、会社に預けて仕事をしているとも考えられます。

資格は自分への先行投資と考えるならば、資格の中でも、取得が難しく費用も高い操縦資格ですから、その分、給与として本人に還元されて当然なのかも知れませんし、そうでもなければ、優秀なパイロットの安定供給ができない、とも考えられます。

パイロットの年収が高い理由2 リスクが少なからずある

パイロットはリスクのある職種とも言えます。

例えば健康リスク。

人間誰しも病気になることはありますが、パイロットは簡単に病気になることができません。

言い換えれば、パイロットは病気になってしまうと、簡単に復帰できないようになっています。

最悪の場合、地上に降りなければならず、復帰できない場合も、パイロット全体の1割程度起こります。

そう言ったリスクに備えて、ロスオブライセンスという保険もあるくらいなのですが、給与全額保証されるわけでもなく、リスクがある仕事と言えます。

健康リスクだけではありません。

話すと長くなりますが、パイロット(特に機長)の仕事は、運航の最終責任者として、安全に関する責任を負うことです。

航空機の運航にはさまざまな職種が関わっているのですが、パイロットが唯一、人命を救うために最後まで諦めずに戦える職種でもあります。

仮に天気が悪かっただろうとも、整備不良であったとしても、それらを含めて、安全運航の最終責任者として戦わなければならないのです。

大勢の命を預かるという、社会的責務の重さも、ある意味リスクなのではないでしょうか。

男女比較表からパイロット年収を解説

続いて、パイロットという職業に限定して、男女比較をおこないます。

平均年齢きまって
支給する
現金給与額
所定内
給与額
年間賞与
その他
特別給与額
想定年収労働者数
(調査数)
(単位)(歳)(千円)(千円)(千円)(千円)(十人)
全体43.81228.01214.02516.417252.4348
男性43.81233.71219.82521.517325.9345
女性44.4583.9558.11929.28936.03
令和2年賃金構造基本統計調査から抜粋 <男女比較>JAMBO作成

ご覧いただいた通りで、男女差が想像以上に大きい結果となりました。

男性パイロットの年収は、1733万円に対して、女性パイロットの年収は、894万円でした。

なぜこれだけ差がついてしまうのでしょうか?

男女差がある理由

女性パイロットは、段々と増えて来ているとはいえ、全体の1%です。

この統計でも、男性3450名に対して、女性30名のデータとなります。

データに偏りがあるのが原因かも知れませんが、他にも理由がいくつか考えられます。

冨村も関わっているPILOT専門進学塾・シアトルフライトアカデミーには、女性パイロットも多く在籍していますが、優秀な女性ほど、ワークバランスを考えながら、出産や子育ても両立しようとする傾向にあります。

性別に関係なく、仕事も育児も両立する今の時代ですから、男性パイロットであっても、育児中は仕事量を減らして、育児も両立させるべきと冨村は個人的には考えますが、本人がそのつもりでも、会社だったり世間だったりはそれをなかなか容認されないこともあると思います。

結果、女性パイロットは、両立できたとしても、男性パイロットと比較して、フライトタイム(勤務時間)が減ってしまったり、場合によっては、機長昇格が遅れたりと、基本給以外の収入が減ってしまうことが原因ではないかと推察します。

だからこそ、女性パイロットには、子育ても家事も大好きな男性と巡り合ってほしいと願っています。

男女関係なく、パイロットを続けるには、結局、家族の支えと理解がたいへん重要なのです。

年齢比較表からエアラインパイロット年収を解説

続いて、パイロットの年齢別に、年収を見てみましょう。

先述の解説の通りで、1000人以上の労働者を抱えているエアラインは、日本では、JAL、ANA、SKYなどですので、以下表の1000人以上の会社は、大手航空会社と読み替えて考えると分かりやすくなります。

また、100〜999人は、子会社や新興航空会社やLCCなどに当てはまります。

統計上では、10〜99名の会社にも、パイロットが在籍していることになっていますが、こちらは、エアラインの規模では考えにくいかと思います。

10〜99人の会社に分類されたパイロットのほとんどが、使用事業パイロットと考えられるため、以下抜粋表には含めておりません。

1000人以上
平均年齢
1000人以上
想定年収
1000人以上
労働者数
100〜999人
平均年齢
100〜999人
想定年収
100〜999人
労働者数
(単位)(歳)(千円)(十人)(歳)(千円)(十人)
全体44.520847.122841.411063.4103
20歳〜2424.54348.4923.55378.36
25歳〜2927.66666.11328.65884.65
30歳〜3433.57602.21832.810050.320
35歳〜3936.116052.22937.211800.724
40歳〜4442.715073.33443.313792.321
45歳〜4948.124844.24146.913113.85
50歳〜5452.029326.16351.813652.55
55歳〜5957.230040.82157.310229.411
60歳〜6463.210179.26
65歳〜6967.48291.11
令和2年賃金構造基本統計調査から抜粋 <パイロット年齢比較>JAMBO作成

JAL ANA SKYなど大手航空会社のエアラインパイロット年収は?

ご覧いただいた通りで、大手航空会社と思われる1000人以上の会社に分類されたパイロットは、パイロットの定年間際である、55歳〜59歳の時点で、平均3004万円の年収があることが分かります。

また、昇給のタイミングが40歳を超えていることから、機長昇格のタイミングが遅い傾向が読み取れます。

ただし副操縦士の時でも、年収は1200万円以上となるようです。

子会社系 新興航空会社系 LCC系のエアラインパイロット年収は?

一方で、大手子会社や新興航空会社やLCCと思われる100〜999人の会社に分類されたパイロットは、加齢乗員として定年延長されたパイロットも含まれることが特徴で、ピークとなる50歳〜54歳で、平均1365万円の年収があることが分かります。

大手と比較して機長昇格が平均的に早いようですが、副操縦士と機長の給与差が、あまり見られないことも特徴で、副操縦士の時でも、年収は1000万円ほどのようです。

エアラインパイロット給与の構造

エアラインパイロットの給与は、ざっくり言うと、以下の棒グラフの様になっています。

パイロットの給与構造

基本給は、雇用契約や給与規定に定められている、いわゆる会社員全員に共通した給与です。年齢が高くなるにつれて高くなっていきます。(限界はあります)

乗務時間に対する手当が一番大きいと言えます。会社により異なりますが、時間数に対して1万円とか2万円とか・・・頂けます。

機長は当然に単価が高いですが、副操縦士も少し頂けます。

乗務時間が少ないと給与が下がってしまいますが、乗務以外の仕事(例えば教官業務とか)をされる方に不利にならないように、会社によっては、最低限のフライトタイム分の給与を保証する場合もあります。

仮に月35時間しかフライトがなかったとしても、50時間分は頂ける、といった感じです。

役職に対する手当は、年齢が高くなるにつれて、役員だったり、本部長だったり、フライト以外の職務に任命されると頂けます。会社によっては、機長は部長同様の扱いとする場合もあるようです。

その他は、他職種同様に、交通費手当だったり、家族手当だったりがあります。パイロットらしいのは、ステイ勤務があった時に手当をいただける会社もあったりします。

パイロット採用と年収から考察する パイロットになるには まとめ

いかがだったでしょうか!

パイロットの年収は他職種と比較して魅力的ではありますが、それなりの理由があってのことだとご理解いただけたかと思います。

医師や法務従事者など、どのような職業にも言えることですが、初期投資やリスクのある仕事だから給与が高いわけで、パイロットが高給であることにも理由があり、多くの人間の命を預かり、一歩間違えば多くの人々の人生を破滅させてしまう、責任の重い職種であることを改めてご理解いただければと思います。

これからパイロットを目指される方にとって、コロナ禍で如何にパイロットを志望する熱意を保っていけるのか、またどの様に、この困難な時を過ごしたら良いのか、少しでもヒントになればと思い、以下にまとめます。

パイロットになるには時間がかかる

パイロットになるにはとても時間がかかります。

日本航空協会発行の「数字で見る航空」の統計から読み解くと、副操縦士になる年齢は29歳が平均です。(ちなみに機長昇格の平均年齢は41歳です)

大学卒業してストレートで副操縦士になる方は、かなり珍しいくらいで、35歳前後で副操縦士になる方もいらっしゃるほどです。

10年ほど前までは、「若ければたくさん機長として働いてもらえるので良い」とエアライン内で言われていたのですが、今ではむしろ「社会人経験とストレス耐性がある方が、安定感のあるパイロットとして育てやすい」とも言われています。

年齢にまだ余裕があれば、コロナ禍だからこそ準備をするのもあり

パイロット志望者の世界では、浪人は決して珍しい話ではありません。

社会的に見たら、浪人は珍しいのかも知れませんが、パイロットの中ではたくさんいます。

もちろん、ただの浪人生ではパイロットになれません。

中身の濃い浪人生活が送れるかどうかがポイントで、その点を面接などで上手に話せたり、年配者が認めるほど濃い浪人生活が送れていないケースが大半です。

だからこそ、パイロットになるには戦略が必要で、専門家の力を頼ってほしいと思っています。

コロナの今だからこそ、逆に時間を与えられたのだとプラスに考えて、どれだけ濃い時間を過ごせるかどうかにかかっているのではないでしょうか。

強い意志を持ったパイロット志望者には、ぜひ、PILOT専門進学塾の門戸を叩いてほしいと思っています。

パイロット専門進学塾
パイロットの目指したい中学生、高校生、大学生、社会人はエアラインパイロットの進学予備校塾

プロパイロットとして活躍する先輩達や、私大操縦に在籍しているパイロット訓練生が一人一人に合ったパイロットの受験指導を行います。

私大航空操縦志望者へ

私大航空操縦は、志望者数が多く、倍率が高くなってきている状況です。

大手予備校の出している偏差値は、現状に全く合っていないほど、簡単には入学できなくなっています。

また、私大進学には、とてつもないお金がかかるため、家庭によってはコロナでお金の工面が難しくなることも起きていると推察します。

コロナ禍の今だからこそ、私大操縦にいますぐ入学するのではなく、一般的な大学(学費の安い国公立など)に一度進学をして、その間に資金工面をするのも一案と思います。

高校卒業後ストレートに私大操縦に入っても、その後ストレートに副操縦士になるのは、ほんの一部の優秀者だけです。

その優秀者とは、300人に1人ほど出てくるほどの逸材で、私大操縦でなくても、自社養成採用されるくらいの人物だと思っていいでしょう。

そうでもないならば、私大操縦に入る前に、社会人経験や留学経験などを積み、度胸をつけることも大切なのではないでしょうか。


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