NICE FLIGHT!(ナイスフライト)ドラマ第4話 航空専門家による考察

パイロット志望者お待ちかねのテレビドラマ「NICE FLIGHT!(ナイスフライト)」が、2022年7月22日(金)からテレビ朝日系列でスタートしました!

8月13日(金)は第四話が放送。

副操縦士の倉田 粋(玉森 裕太)と、倉田 粋(玉森 裕太)がひと聞き惚れしてしまった、航空管制官の渋谷 真夢(中村 アン)が、キャンプを通して、グッと距離を縮める??という、ツイてる展開です。

第四話は、あまりパイロットや航空管制官といった、仕事に関わるシーンはあまり出ませんでした。

パイロット(航空管制官)志望の皆さまにとって、「恋愛などしている時間ないし、興味もない!(怒)、、、」なんて僻まないで、ひと時の恋愛模様を楽しむことにしましょう!笑

でも、そんな恋愛模様の中に、パイロットに必要な適性が見えてきたりするかも知れませんよ!

このブログでは、ドラマをご覧になられたパイロット志望者の方が興奮したであろう場面や、その詳細解説、実際の現場のお話などを解説する「パイロット目線 感想コラム」です。

一部ネタバレ等が含まれておりますため、本ドラマをご覧いただいてから、コラムをご覧いただくことをおすすめします。

TVerやTELASAでも見逃し配信を行なっております。

そもそもパイロット・管制官の「ひと聞き惚れ」は成り立つのか?考察してみました笑

実は「ひと聞き惚れ」。

パイロットの中ではよく聞かれる話だったりします。

単純に、管制官の声質や癖などから、特定の管制官を気になってしまい、でも顔が見えるわけではないですから、どんな方なのかな?なんて想像を膨らませたりします。

決して下心があるわけではありません。笑

「声に惚れるとかキショい」って感じられる方も中にはいらっしゃると思うので、以下のように考察してみました。

今は2022年。インターネットが当たり前の時代。

遡ること、たったの30年前(1990年代初頭)までは、インターネットは全くと言って良いほど普及していませんでした。

相手の顔が見えるわけでもないのに、雑誌の告知欄を通して文通してみたり、ポケベルを使ってメッセージを交換したり。

そんな、「相手の顔が見えない」が当たり前の時代もあったわけです。

私が何を言いたいかというと、相手の顔が見えなくても(知らなくても)、心と心を通わせる、そんな時代もあったし、今でも人間の本質は変わっていないのではないかと思うのです。

第三話で倉田 粋(玉森 裕太)が話していたように、パイロットにとって、航空管制官も、整備士もCAも、みんな空を一緒に飛んでくれるかけがえのない仲間=運命共同体です。

特にパイロットは航空管制官に命を預けているし、航空管制官によってパイロットが救われることもあれば、時には航空管制官のミスをパイロットがリカバーすることだってあります。

(人間なのだから、職種に関係なく、どんなベテランだってミスをします)

そんな思いから、倉田 粋(玉森 裕太)は「運命共同体」と言う言葉で表したのでしょう。

そんな命を預けている相手だからこそ、声に励まされ、時に勇気づけられることも、それは当然にあるのではないでしょうか。

パイロットも航空管制官も、高次元のコミュニケーション能力が求められる職業だと思います。

パイロットはいつも同じ仲間とチームを組んで飛ぶことはほとんどありません。(その点ドラマは少し違うかなと思います。仕方のないことですが・・・)

「初めまして」同士のパイロット、そして顔も知らない管制官も含めて、チームを組んだ瞬間から(ファーストコンタクトの瞬間から)、阿吽の呼吸で、超高速移動する飛行機を一緒に操縦し、安全に目的地まで辿り着かなければなりません。

だからこそ、パイロットも航空管制官も、相手の気持ちを慮ったり、意図を汲み取ったり、そんな能力を持ったプロフェッショナルの集まりだと言えるのです。

ともすれば、あのマイクロバーストの時、倉田 粋(玉森 裕太)が渋谷 真夢(中村 アン)の航空管制(無線通話)の裏側で、渋谷 真夢(中村 アン)の思いや気持ちだけでなく、真夢の心の底にある悩みまでも読み取った、としてもあながち間違ってないと、冨村は断言できます。

以上から「ひと聞き惚れ」は実在するし、決してキショいことではない!と結論づけたいと思います。笑

そんなプロフェッショナルな世界に、志望者の皆さまは、これから入って行かれるのですよ!

ツイてると感じられることはパイロット適性のひとつ

キャンプ先の買い出し先でバッテリーが上がってしまい、倉田 粋(玉森 裕太)が救出を呼びに行っている間に、渋谷 真夢(中村 アン)が男たちに絡まれ、そこに粋が戻り助けたシーン。

その後、二人きりでプリンを食べながら救出を待っている時。とっさに渋谷 真夢(中村 アン)が思い出し笑い。

そのシーンから解説します。

真夢「(笑)倉田さんといると、いろんなことが起きるんだなって・・・」
〜中略〜
粋 「でも何でかな〜、昔はそんなことなかったんだけど、、、空飛び始めてからなんだよな。ツイてるって言われるの」
粋 「でも、バードストライクは一度も無いんです。鳥が味方してくれているのかな?」

確かに第一話からの展開を考えると、倉田 粋(玉森 裕太)の周囲には異様なほどに、色々なことが起きていますね。

もちろんそれはトラブルもあれば悩みもあれば、でも幸せなこともあれば。

パイロットになると言うこと。

ともかく、毎日が試練。

何度も大きな壁にぶつかり、悩んで苦しんで諦めようとも思って・・・

でもそんな試練を何度も乗り越えてパイロットになって行きます。

でもそれほどまでに絶対に諦めず執着できるってことが能力だし職務適性だと思いませんか?

パイロットの仕事は、仮に想定外のトラブルが起きたとしても、乗客乗員全員を無事に地上へ下ろすことです。

ともすれば、緊急事態に簡単に諦めてしまうようなパイロットだったら困りますよね。

では、どうやって諦めない強靭な精神が出来るのか。ということ。

パイロットだって同じ、弱い人間です。

幾度となく押し寄せる困難を乗り越えるためには、仲間も必要不可欠ですが、それだけではなく、プラス思考でいることだと、冨村は常日頃から訓練生へ教えています。

粋が言っている「ツイている」という言葉に、違和感を感じた方、きっと多いと思います。

なぜならば「ツイている」という場面ほど、何らかのトラブルに巻き込まれた時だからです。

どんな困難な状況に巻き込まれても、プラス思考で対処することで、解決策の中でも最適解が見つかるのだと思いますし、結果、自分自身の学びの質も変わると思います。

そんなプラス思考の倉田 粋(玉森 裕太)を、パイロット志望者の皆さま、見習っていただきたいと思うわけであります。

自分を謙遜し人を尊敬出来ることもパイロットに必要な適性です

倉田 粋(玉森 裕太)が大学時代に人力飛行機のパイロットをやっていたこと、その後就活で自社養成にチャレンジしたものの全滅。

地元の商店街でアルバイトをしながら、1年間浪人し、自社養成に再チャレンジして採用されたことを思い出しながら、倉田 粋(玉森 裕太)が渋谷 真夢(中村 アン)に語ったシーンから解説します。

粋「だから同期はほとんど年下で・・・」
粋「だけど、人格も熱意も能力も、俺なんかよりみんな全然すごいんですよ。」

人格・熱意・能力。

これら全てパイロット採用試験にて見られることで、私が普段から授業で使っているワードです笑

でも今回、冨村が着目しているのはそこではない!

粋は、心を惹かれてしょうがない渋谷 真夢(中村 アン)に対して、自分のことを謙遜して本心を打ち明けているのです。

これは人間として素晴らしい能力であるだけでなく、パイロットに必要不可欠な能力であると断言できます。

そもそもパイロットは、ごく普通の弱い人間であり、ミスだってします。

PERFECT HUMANなわけないですから、まずは自分の力を過大評価しないこともまた大切です。

謙虚な姿勢でいることは最も大切。

自分の不足を堂々と話すことができて、間違いを素直に認めることができる。

これこそが大きな器なのだと、冨村は授業で教えています。

皆さま、倉田 粋(玉森 裕太)がいつか機長になった時を想像してください。

きっと倉田 粋(玉森 裕太)は機長になっても、変わらず自分のことを謙遜して話せるでしょうし、そんな機長の周りだからこそ、後輩たちがたくさん群がるでしょうね。

そして後輩たち一人ひとりに、、、

「○○さんの〜な部分、すごいですね!尊敬していますよ!」

と言うのでしょうね・・・

まとめ

いよいよドラマも後半(第五話)へ
告知を観ると、第五話では、倉田 粋(玉森 裕太)と渋谷 真夢(中村 アン)が花火デートをすることになるようで、ふたりの距離がさらに縮まる予感!

ただ、女性機長 喜多見による「倉田くんと飛ぶのもこれが最後かな・・・」と言う意味深発言もあって、とても気になりますね!

もしかしてBoeing767型機からBoeing787型機など別機種へ、移行訓練に入るのかな??それとも、自社養成訓練の教官を命じられたり???

なんてワクワク想像しています。

いずれにせよ、また来週!

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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