同調圧力を考える

パイロット志望者の皆さまこんにちは。

JAMBO理事長・パイロット相談室相談員の冨村です。

最近、世界的にとても大きな、そして悲しい出来事がありましたね。

ロシアによるウクライナへの侵攻です。

連日目に、耳にするウクライナ関連の悲惨な報道に胸を痛めております。
せっかく新型コロナの見通しが明るくなってきそうな矢先に最低最悪の出来事に世界中が落胆しています。

日本も様々な面で重要な繋がりのある隣国が起こした大事件であるということで、官民ともに大きく動揺していますね。
反戦・平和を祈ることは当然ですし、当事国は非難されて当然であると思いますが、最近の様子を見て思ったことをここに書いておこうと思います。

先に宣言しておきますが、私、そして弊団体は戦争という行為そのものを憎み、世界平和を祈っております。
特定の国家、思想、民族への侮辱的な考えはありませんし、逆に偏って一方を賞賛することも致しません。
それをご理解いただいた上でお読みください。

抗議することと誹謗中傷は違う

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻以来、世界ではロシアに対する非難の声が沸き起こっています。

SNSの発達は、紛争が起こっている現地のリアルな状況を多くの人々に知り渡らせることとなり、戦争の悲惨さと理不尽さを世界は嫌でも身近に知ることとなりました。
そうしたことから、世界中の一般市民から戦争反対の声があがってくるのは当たり前ですし、どんな理由があれ武力による軍事侵攻という手段に出たロシア、プーチン政権は非難されるのは当然だと思います。
世界中から抗議の声をあげ、戦争をやめさせようとする試みは素晴らしい試みだと思います。

しかし、抗議の声が広がっていくのと同時に特定の国家、民族、個人を誹謗中傷するような動きも現れています。
SNS上ではロシア人、ロシア系日本人に対する誹謗中傷が相次ぎ、現実世界でもロシア料理店への嫌がらせ、イジメなどが発生しています。
実際にPILOT専門進学塾(PJ SFA)教官の知り合いである在日ロシア人の子どもが、ロシアのウクライナへの軍事侵攻をきっかけに学校でイジメに遭うといったことが起きています。

このコラムをお読みいただいている方は皆お分かりだと思いますが、抗議するべきはロシア政府と権力者で、ロシア人(ベラルーシなどの協力国の国民も)ではありません。

国籍やルーツが違うだけで個人を寄ってたかって攻撃することは醜悪であり、それもまた個人への侵略です。
正義を振りかざして他者を攻撃した時点で、それは正義ではありません。

個人への攻撃は絶対にやめましょう。

「空気」に支配されるな

上述したようなことはパイロットを目指している方は当たり前のようにできていると思いますのであまり心配していませんが、一番心配していることは「ロシアが悪い。という空気」です。

ロシアの侵攻が始まって以来、報道やネット上ではロシア軍の暴虐ぶり、ウクライナの奮闘ぶりを書いた記事や書き込みばかり見かけます。

ここで忘れてはいけないことは、私たちはNATO側(ウクライナ側)だということ。

当然、報道も「こちら側」寄りということを理解しておかなければいけません。

更に、SNSをはじめとしたネット上では出所不明の記事や悪質なデマも大量にあふれています。

そしてそういった偽情報には普段、色々なものを溜め込んでいる人が「大声で批判できるという免罪符」を得て声高らかに賛同、そして情報を拡散している場合があります。

そうしたこともあって、「ロシアが全て悪い」、「何があってもロシアのせい」という風潮が出来上がり、次第にそれが「ロシア人は悪い」という論調にすり替えられていきます。

こうした流れで前述したような個人に対する誹謗中傷や嫌がらせが発生します。

更に最悪なのは、そうしたことを見て見ぬ振りをするその他大勢の人々。
これが進行するとロシア絡みのことならば何を言っても、やっても構わないというような空気の完成です。

そして今世間で起き始めていることは、「吊るし上げ」です。

著名な人が今回の件で一般論とは違う冷静な分析、自分の意見を発言すると「侵略者の肩を持った」として袋叩きにあい、その炎上具合がネットニュースになり、更に炎上する。というようなことが頻発しています。

この流れもこのままだと有名人の間だけではなく、間も無く私たちの日常に降りてくるでしょう。

この国は言論の自由がありますので、どんな意見を持っていてもいいのですし、まして戦争という問題はどちらが正義でどちらが悪なんてはっきりできるものではありませんので、反論はしても吊るし上げて寄ってたかって叩くことはありませんよね。

行き過ぎた「空気」と「同調圧力」は人の思考を鈍らせ、様々な悲劇を生み出します。

残念ながら日本人も過去の歴史に学ばず、同じ空気を作っていってしまっているので、パイロットを志す皆さまはどうか冷静に、空気に流されることなく自分の頭で考えて判断していっていただきたいと思っています。

そして何より、早くの紛争終結を心から祈っております。

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