航空無線通信士(航空通)はパイロットを目指すなら早期受験!難易度・申請方法紹介 2023年最新版
パイロットを始めとした航空業界志望者の皆さまこんにちは!理事長・パイロット養成コンサルの冨村です。
パイロットを本格的に目指し始めたら、まずすぐに取り組んでいただきたいのが、航空無線通信士試験(通称 航空通)の資格取得です!
航空無線通信士(航空通)は、パイロットや航空管制官など、航空無線設備(通話や操縦に必要な機器)の取り扱いに必要な知識や技能や法律について、一定以上のものを持っていることを証明する国家資格です。
パイロットや航空管制官を目指している諸君には、必要不可欠の資格なんです。
でも、皆さま驚かれますよね?
成ってもいないのに、業界にも入っていないのに、いきなり国家試験を受験するのって、おかしいって。
いえいえ、全くおかしいことはありませんし、年齢制限はありません。
むしろ、早期段階で資格取得することに、メリットしかないんです!
そんな、航空無線通信士(航空通)について、教科書選びの極意から、勉強方法のワンポイントアドバイスまで、このコラムで解説いたします!
- パイロット 航空無線通信士(航空通)を早期受験するメリットとは
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 科目免除制度 免除申請方法
- パイロット 航空無線通信士(航空通)を早期受験するメリットしかない
- 【告知】崇城大学を分析・紹介 入学説明会・オープンキャンパスについて
- 【告知】 PILOT専門進学塾で行われるイベント紹介
- 6/30(日) 11時〜 パイロット私大進路相談会
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 難易度 合格率は?
- パイロット 航空無線通信士(航空通) どのような資格?
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 試験日 申し込み方法は?
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 試験内容 科目 合格点は?
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 教科書選びの極意 情報通信振興会から標準教科書を買おう
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 過去問
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 勉強方法 勉強時間は?
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 独学 勉強方法
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 使い道 何ができるのか
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 試験結果確認 合格へ!
- パイロット 航空無線通信士(航空通) 免許証 申請方法
- パイロット 航空無線通信士(航空通) まとめ がんばれ受験生
パイロット 航空無線通信士(航空通)を早期受験するメリットとは
パイロットを目指し始めたら、まず航空無線通信士(航空通)! ほんとにメリットしかありません。
そのメリットの理由は、パイロットが保持する国家資格の中でも、比較的簡単に取れる資格であることと、訓練座学が始まって以降の、想像を絶する忙しさを迎える前に、早めに資格取得しておくことで、忙しくなった時に、資格ひとつ分、勉強時間を他の資格や科目の勉強時間に充てられ、訓練計画に余裕が出るためです。
そもそも操縦技量とは関連のない資格のため、訓練生になる前(私大やエアラインに入る前)でも、全然受けることができますし、PILOT専門進学塾(シアトルフライトアカデミー)では、今まで最も若くて中学3年生で資格取得された方がいらっしゃいます。
つまり、中3程度の学力でも、十分に受験ができる国家試験でもあるのです。
さらに、一度、航空無線通信士(航空通)に合格されると、資格は永久資格であり、亡くなるまで有効です。それ以上受ける必要はありません。
そんなこともあって、最近では、パイロットを目指している方で、合格される方の多くが、航空無線通信士(航空通)を取ってから、自社養成や私大航空操縦や航空大学校の受験をされるほどです。
パイロットになるための余裕を持った念入りな準備をしている人物かどうかの判断基準にもなっている、そういうことですね。(内緒です)
さらに!・・・
パイロット 航空無線通信士(航空通) 科目免除制度 免除申請方法
航空無線通信士(航空通)には、試験科目4科目あり、科目ごとに合格基準が設けられています。そして、試験科目の一部免除(3年以内かつ申請があった場合のみ)という制度があるのです。
どういうことかというと、仮に試験自体が不合格(資格取得ならず)であっても、合格基準以上の合格割合(科目によって異なるが、例えば無線工学と法規の場合は7割以上)が取れた科目については、その科目は3年以内の受験であれば、科目免除されるということなのです!
ということは、1科目ずつ合格していっても構わない(電気通信術は除く)、ということです。一度合格した科目は以降免除されるため、合格点に達しなかった科目だけ、次回は勉強すればいいのです。
なお、科目免除の申請方法については、日本無線協会の公式サイト内にある「視覚についてのFAQ」に記載があります。申請書への記入が必要とありますので、日本無線協会へお問い合わせをお願いします。
パイロット 航空無線通信士(航空通)を早期受験するメリットしかない
はい、どうでしょう?これだけ読むだけで、航空無線通信士(航空通)を早期受験することに、メリットしかない理由がご理解いただけたのではないでしょうか?
きっとこのコラムがパイロット(航空管制官)を本格的に目指すアナタにとって、人生を変える記事になること間違いなしです。
教科書選びの極意から、勉強方法のアドバイスまで、コラムは続きますので、ぜひ最後までご覧ください!
航空無線通信士(航空通)メリット おさらい
- 訓練前に終えておくことで、訓練期間にかなりの余裕が生まれる
- 中学3年生でも取れる、比較的簡単な国家資格である (ちゃんと先生が付いてます)
- 亡くなるまで有効な、いわば永久資格である 再度勉強・受験の必要なし
- パイロットの本気度を表すことが出来る
- 試験科目の一部免除制度あり 合格に達した科目は条件付きで科目免除 徐々に合格を重ねていける
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6/30(日) 11時〜 パイロット私大進路相談会
パイロット私大進路相談会は、私大操縦進学希望者向けにパイロット入試の専門家が丁寧にご相談に応じます。
私大操縦の基本情報の説明だけでなく、最新のAI学習教材を使った、学科の体験指導と個別相談ができます。
当日は、現役パイロットが参加し、座談会形式で交流することができます。(20歳以上の参加者様のみ、同日19時頃から開催予定のパイロットを囲んでの懇親会にご参加いただけます)
自社養成、または私大操縦進学を検討されているご本人のみの参加若しくは、保護者様1名様までご同席可能ですが、保護者様だけのご参加はできません。必ずご本人様がお越しください。
[満員御礼]6/30私大パイロット進路相談会(中学生〜)開催のお知らせ
6/30(日) 14時〜 自社養成&私大操縦パイロット進路相談会
自社養成&私大操縦パイロット進路相談会は、自社養成志望者と私大操縦進学希望者向けにパイロット入試の専門家が丁寧にご相談に応じます。
自社養成・私大操縦の基本情報の説明だけでなく、自社養成のための進路相談やインターシップ相談、SPI対策相談など、自社養成に特化した個別相談と、私大操縦のための進路相談、面接対策相談、学科相談など、私大操縦進学に特化した個別相談を実施致します。
自社養成についての事前情報を持っているのとそうでないのでは、合格率に大きな違いがあります。現在、自社養成受験を考えている方は、是非ご参加下さい。私大操縦志望者の方も同じく、事前に確かな情報をゲットして、対策するようにしましょう。
当日は、現役パイロットが参加し、座談会形式で交流することができます。(20歳以上の参加者様のみ、同日19時頃から開催予定のパイロットを囲んでの懇親会にご参加いただけます)
自社養成、または私大操縦進学を検討されているご本人のみの参加若しくは、保護者様1名様までご同席可能ですが、保護者様だけのご参加はできません。必ずご本人様がお越しください。
[満員御礼]現役パイロットとの懇親会も! 6/30自社養成&私大操縦パイロット進路相談会(6/30後半の部)開催のお知らせ
PILOT専門進学塾 2024年度新規入塾者募集開始
JAMBOが運営するPILOT専門進学塾・シアトルフライトアカデミーの2024年度新規入塾者の募集が開始されました。
PILOT専門進学塾では私大航空操縦・航空大学校受験対策、自社養成対策と有資格者転職対策といった多くのコースをご用意しております。
[告知] PILOT専門進学塾 2024年度 新規入塾 募集開始します
PILOT専門進学塾に入塾するためにはパイロット適性診断テストを受験していただく必要があります。
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パイロット適性診断テストのご予約
パイロット適性診断テストのご予約は、パイロット相談室の「相談予約」にて承っております。
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パイロット 航空無線通信士(航空通) 難易度 合格率は?
結論から言うと、航空無線通信士(航空通)の合格率は、およそ40%と、国家試験の中ではそこまで難しいものではありません。
パイロットや航空管制官を本格的に目指されている方が受験する国家試験ですから、さぞかし合格率が高いのだろう、、、
そう思ってしまうのが不思議なところですが、実際には、合格率はおよそ40%(科目免除者の最終合格を含む)と、意外と低めの合格率。
それには深い理由があります。
そもそも、航空無線機器を取り扱うというだけで、資格が必要とされているのは、日本くらいなもので、海外では稀のようです。
したがって、パイロット訓練生にとって航空無線通信士(航空通)の取得は、必要不可欠、避けては通れない道である一方で、他の国家資格取得や座学の勉強、語学の勉強などの影に隠れがちなのです。
さらにいえば、先に解説した、試験科目免除という制度もありますので、時間さえあれば、少しずつ合格を目指したって良いのです。
こうした理由から、合格率が低くなっているものと思われます。
正直なことを申し上げるなら、国家試験が続くエアラインパイロットには、免除してあげて欲しい試験ではありますが、大人の事情から難しいこともあるのでしょう。(これ以上は冨村の口からは・・・)
いずれにせよ、早期取得を目指して、一つずつ科目合格していきましょうね!
パイロット 航空無線通信士(航空通) どのような資格?
航空無線通信士(航空通)は、関連する無線設備を取り扱うための無線従事者資格となりますが、実は、航空無線通信士(航空通)に限らず、23もの資格があり、中でも資格保持者が多いのが、アマチュア無線技士なのかな?と推察いたします。
無線従事者の資格は大きく分けて、海上、航空、陸上、アマチュア及び総合の5つの分野に分類され、計23の資格があります。
公益財団法人日本無線協会より引用 https://www.nichimu.or.jp/
携帯電話が当たり前となった最近こそ、無線機を使いこなしている人はなかなか少なくなりましたが、携帯電話のシェアが伸びる30年ほど前までは、無線機は比較的ありふれた通信手段でした。
都心では見かけなくなりましたが、今でも地方に行くと、大きな八木(やぎ)アンテナなどが付いた立派なお宅が多いですね。アマチュア無線技士でも、腕や電波の出力次第ですが、日本から地球の裏側まで、交信することができるほどでした。
また、車やトラック同士で交信していることも多く、交通状況を伝え合ったりしていました。今ではネットやtwitterの方が情報が早いかも知れませんね。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 試験は日本無線協会が実施
そんなこともあって、電波を管理している総務省(旧郵政省)が、航空無線通信士(航空通)も含めて、さまざまな無線従事者の国家試験を実施する団体としているのが、公益財団法人日本無線協会なのです。
皆さまが航空無線通信士(航空通)を受験するには、公益財団法人日本無線協会のホームページから、申し込みをする必要があります。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 試験日 申し込み方法は?
パイロット(航空管制官)を目指す皆さまが受験するのは、航空無線通信士(航空通)ですが、試験日は、残念なことに年2回しかありません。以下は、最新2023年度の試験日となります。
- 8月期 受験日: 令和5年8月24日(木) 25日(金) 申し込み期間:令和5年6月1日〜6月20日
- 2月期 受験日: 令和6年2月22日(木) 23日(金) 申し込み期間:令和5年12月1日〜12月20日
8月期と2月期であるのは、ずっと変わっておりませんので、今後も、若干の変更はあるかも知れませんが、年2回、8月と2月の試験であることは、変わりなく実施されていくのかな、という予感です。
あくまで、冨村の個人的な感触ですが、8月期は、以前と比べて8月下旬の実施となって、他の国家資格や、大学の試験と重ならなくなったため、受験生の負担は減ったと思うのですが、2月期については、年度末試験や、受験時期とも重なることや、曜日が平日(以前は土曜)であることもあって、もう少しなんとかご調整いただけなかったのかなぁ、という感じです。
おそらく、高校生や大学生の方で、早期受験を目指される方にとっては、8月期の受験が大チャンスであり、その試験の申し込み期間が、ちょうど今!(このコラム発表が6月初旬発表)なのです。
ちなみに・・・
私大航空操縦に合格されてから、航空通を資格取得していくことももちろん可能ですが、各私大とも、大学1年生のうちに、大学4年間の多くの単位を取得させるため、通常の大学生の何倍も試験が課せられる上に、ちょうどその前期期末試験と重なること、そしてちょうど同時期に、自家用操縦士試験(筆記試験)があったり、留学前の英語資格の試験があったりと、大変忙しい状況となります。
だからこそ、パイロットを本格的に目指し始めたら、航空無線通信士(航空通)を早期取得すべきなのです。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 試験 申し込み 日本無線協会から行う
皆さまが航空無線通信士(航空通)を受験するには、公益財団法人日本無線協会のホームページから、申し込みをする必要があります。
以下ステップを参考に、試験の予約、支払いを行なってください。(試験申込期間は、6月1日〜20日頃と、12月1日〜20日頃です)
- 日本無線協会のホームページの一番上から、「受験案内」を探す
- トップ「受験案内」の中の「受験案内」を押すと、「航空無線通信士」が見つかる
- 「航空特殊無線技士」という名称がややこしいものもあるが、こちらは受験してはいけない(※以下補足)
- 「航空無線通信士」の右横に、「詳細」があるので、そちらをクリック
- すると、詳細の国家試験案内が表示されるので、隅々までよく読むこと ダウンロードして保存しておくとなお良し
- 最初に戻り、トップ「受験案内」の中の「試験申請の手続」を押すと、申請方法の詳細が表示されるので、よく読む
- 「試験申請の手続」内にある、「インターネット申請受付はこちら」を押して、「受付システム」から、説明に従い、ユーザー登録を経て、試験の申し込みを行なうこと (郵送でも可能。説明に従うこと)
- インターネット申請の場合には、コンビニ・Pay-easy・クレジットカードなどで受験料を支払うことができる
- 最初に戻り、トップ「受験案内」の中の「試験までの流れ」を押し、よく読んでおく
- 最初に戻り、トップ「受験案内」の中の「試験科目・合格基準」を押して、何の試験科目が何割合格なのか、どのように採点されるのかを確認しておくこと
- 最後に、トップ「受験案内」の中の「試験問題と解答」を押すと、過去2回分の試験問題(英語リスニングを除く)と解答が表示されるので、どのような問題なのか確認したり、過去問を解いて試験に慣れておくこと(後述の勉強方法にて詳細解説)
- ほかにも、必要な情報が掲載されているため、航空無線通信士(航空通)に関する受験情報は、事細かに確認しておくべき これぞ国家試験の注意点なり
パイロット 航空無線通信士(航空通) 航空特殊無線技士 違い 科目免除は?
航空無線通信士(航空通)は、エアラインなど業務で航空機を扱うパイロットに必要な資格です。航空特殊無線技士は、航空通の下位資格で、自家用パイロットに必要な資格です。ここにいらっしゃる方は、エアラインパイロットを目指されている方になりますので、航空特殊無線技士では足りません。
なお、航空特殊無線技士の試験には、英語がありません。また無線工学や法規も出題範囲が異なりますので、準備が別途必要となります。
もし航空特殊無線技士を既にお持ちの方で、航空無線通信士(航空通)を取得される方には、電気通信術の科目のみ免除となります。無線工学や法規は、難易度も出題範囲も違います(航空通の方が上位資格のため)ので、受験し直しとなります。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 試験内容 科目 合格点は?
パイロット(航空管制官)を本格的に目指している方がまず受験される、航空無線通信士(航空通)!
試験科目は、次の4科目となります。
- 無線工学
- 法規
- 英語
- 電気通信術
それぞれのざっくりとした試験内容は、以下をご参照ください。(勉強方法アドバイスは、当コラムの最後の方)
無線工学は、主に航空機の運航に使われている無線機機(航空機に搭載されたものや、地上にあるもの)の種類や構造などの知識、そしてそれらを使うために必要な基礎知識(数学や物理分野)を学びます。7割合格です。
法規は、無線機を運用するにあたり、関連する法律(電波法など)がどのようになっているのか、罰則はどうなのか?など、公共の電波を正しく使うための法律について学びます。7割合格です。
英語は、航空無線を使いこなすために必要最低限の英語力(ReadingとListening)について学びます。約6割合格(正確には、全体105点満点中、60点合格)ですが、うちListeningパート(30点満点)にて15点以上正解が必要です。
電気通信術は、フォネティックコード(Aはアルファ、Bはブラボ、、、Zはズール 欧文通話表に基づく)が正しく読み取れるか、または正しい発音で喋れるかを確認します。8割合格です。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 教科書選びの極意 情報通信振興会から標準教科書を買おう
いよいよ、航空無線通信士の勉強を始めていきます!そのために大切なのが教科書選び。
この章では、航空無線通信士(航空通)の教科書選びの極意についてお話しします。
とはいえ、いきなり、気合を入れなくてもいいですよ。
皆さまが目指されるのは、早期取得です。つまり、訓練開始まで時間はあるのですから、少しずつ興味の幅を広げていけばいいのです。
物理や無線機機に興味がある方は無線工学から。
暗記が得意な方は法規が向いています!
英語が得意な方は英語から慣れていけばいいのです。決して難しくありません。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 標準教科書(情報通信振興会)は最新の出題範囲が分かるので大切
標準教科書というのは、国家試験を実施するにあたり、出題範囲を広く周知するためのものと考えてください。
はい、出題範囲が分かるので、とても大切な教科書ということになります!
航空無線通信士(航空通)の標準教科書は、一般財団法人情報通信振興会(DSK)から発行されています。
一般財団法人情報通信振興会の公式サイトを開いてみてください。
情報通信振興会は、主に無線従事者向けの標準教科書を出版している会社となります。
航空無線通信士(航空通)だけでなく、他の資格に関する書物も、ここオンラインショップ内で販売されているのです。
上記は、航空無線通信士(航空通)の試験科目、無線工学用の標準教科書となります。
下部にはこのように注釈があります。
「新告示(平成23年総務省告示第158号)対応」「平成23年総務省告示26号により、標準教科書と定められました。」
一般財団法人情報通信振興会
これは、この教科書が、航空無線通信士という国家資格を管轄する総務省により、標準教科書であると周知された、という意味、わかりやすくいうと、総務省のお墨付きなわけです。
なぜ、そんなお墨付きが必要なのでしょうか。それには深い理由があるのです。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 業界は常に変化しているため、最新の教科書が必要
テクノロジーの進化や、グローバル化もあって、航空無線を取り巻く環境は常に変化しています。最近だと、例えばドローンとかエアタクシーなんて乗り物まで出てきて、航空機の安全運航を脅かす問題まで発生しています。
つまり、こうした変化に伴って、法令は常に新しいものに変わり続けていくわけで、総務省はその法令(省令)を定める立場なので、教科書も次々と新しいものに変わっていかなければなりません。
上の画像に戻って、さらによく見てください。
初版 平成24年1月20日 発行
一般財団法人情報通信振興会出版 「航空無線通信士 無線工学 標準教科書」
4版2刷 令和3年4月1日 発行
はい、つまり、改訂版ということなのですが、すでに約10年もの間に、4回も改訂されている、ということになります。
出版社である情報通信振興会が、「令和3年4月1日発行」のものをオンラインショップで販売しているということですから、言い換えれば、「令和3年4月1日発行」の標準教科書から出題されると思って間違いないでしょう。
ちなみに、全国のターミナル駅にあるような、大型書店に行くと、同じ標準教科書を取り扱っていますが、中に古いものが混ざっていたりします。
古いものを販売しているのは、書店だけではありません。Amazonなどでも検索すれば販売していますが、古いものが届いたりします。(管理が甘いのでしょう)
古い教科書で勉強するとどうなるのか。
つまり、法令が古いわけですから、変わったばかりの最新ネタ、、、冨村が総務省を代弁して誠に恐縮ですが「一番世の中に周知したい部分、無線従事者に知っておいていただきたい部分=最新出題範囲」が、その古い標準教科書には載っていない、、、ということなのではないでしょうか??
国家試験をこれからたくさん受けていく皆さまだからこそ、この点はすべての試験に当てはまりますので、よーく注意していただきたいと思います。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 標準教科書以外での勉強
標準教科書以外でも、わかりやすい教科書はいくつか販売されています。
ご丁寧に、出版された方から、PILOT専門進学塾にサンプルを送ってくださる方もいらっしゃいます。ありがとうございます。
自分が勉強しやすい本を買うことは、モチベーション的にもとても大切ではあるので、否定はしませんが、標準教科書(最新情報であり出題範囲)を読むことの大切さだけは、しっかり理解してください。それさえご理解いただけたなら、他の教科書を使ってみるのも良しと思います。
なお、PILOT専門進学塾・シアトルフライトアカデミー学生会では、会員様の間で、独自に航空無線通信士試験前になると勉強会が開かれます。
また諸先輩方が対策用に残して下さったものを、学生会の自費出版にて入塾された会員様にお分けしています。それだけで十分に満点に近い点が取れてしまうほどなのだそうで、学生さんたちは、受験勉強など他の勉強と並行して、授業とは別に、自分たちで勉強会を開いて、ほぼ全員が航空無線通信士試験に合格していきます。(一定の基礎学力とヤル気は必要ですが)
パイロット 航空無線通信士(航空通) 情報通信振興会から何を買えばいいの?
ズバリ、標準教科書3冊、過去問1冊、CD2つが基本です。以下リストを参考にしてください。
- 無線工学 標準教科書(尾翼の絵のもの。回転翼のものは違う)
- 法規 標準教科書(尾翼の絵のもの。回転翼のものは違う)
- 英語 標準教科書
- 航空通問題解答集 過去問
- 英会話CD
- 無線電話練習用CD(欧文)
これら6冊、情報通信振興会からオンライン購入すると、14,630円となります。(2023年6月現在)
パイロット 航空無線通信士(航空通) 過去問
航空無線通信士(航空通)の過去問は、日本無線協会の公式サイトの中に、過去2回分公表されております。その点は比較的親切ですね。
また、過去2回分どころか、過去何年間にもわたって、過去問をまとめて無料公開しているサイトがあります。ただし試験問題の著作権上、もしかするとよろしくない可能性もありますので、ご利用は自己責任にて。
強く推奨しているのが、公式サイトなどからの過去問ダウンロードではなく、情報通信振興会から出版されている、航空通問題解答集(過去問)の購入です。
無料で過去問を入手できるなら必要ない、と思われるかもしれませんが、よく考えていただきたいのが、その過去問をプリントアウトして使うのなら、そこにコピー代がかかって、本を買うよりも高くなることと、本サイズであれば、持ち歩いて勉強ができるからです。勉強は必ずしも、コピーできる環境でもなければ、A4サイズが広げられる場所でもありません。
どこでも手軽に持ち運んで勉強できれば、通学途中であったり、旅先であったり、いつでも過去問を確認できますし、紙のようにバラバラになりません。
逆に、本番の試験の形式で過去問を使う場合、すなわち、本番の直前の勉強方法においては、過去問のファイルからプリントアウトした方が、より試験っぽくなりますね。
つまり、過去問を使う場面は2種類あって、TPOに応じて使い分けが必要(どちらも必要)と言うことになるでしょう。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 勉強方法 勉強時間は?
いよいよ教科書も揃ったところで、各試験科目の勉強方法について、PILOT専門進学塾の学生さん向けにアドバイスしている内容の、さわりの数パーセントだけ、お話しちゃいます。
一人で勉強できないと思われた方は、PILOT専門進学塾には、学生会主体の勉強会や独自教材など、万全なバックアップがありますので、どうぞご入塾ください。笑
パイロット 航空無線通信士(航空通)無線工学 勉強方法と勉強時間
航空無線通信士(航空通)の無線工学で合格するには、中学校までの数学と理科について、抜かりなく理解しておく必要がまずあります。基礎学力で抜けがあると、理解するのに勉強時間を要したり、結果、暗記詰め込み型の勉強方法しか出来なくなるためです。暗記も十分に必要な航空無線通信士(航空通)の勉強ではありますが、訓練座学や、各受験勉強においても、理数系科目は結果的に必要不可欠ではありますので、まずは、中学校までの数学と理科はよくおさらいしておきましょう。
中学校までの数学や理科が、よく理解出来ている前提ではありますが、航空無線通信士(航空通)無線工学の勉強時間は、およそ24時間ほどです。もちろん個人差もありますので参考まで。ちなみに24時間だからと言って、受験直前に24時間詰め込みをしても無駄です。1日1時間から、コツコツと積み重ねることと、受験したことのある仲間や先輩を頼ると、比較的短時間で終わると思います。
また、ある程度、パイロットとして、どのような運航をしているのか、どのような無線機器があるのか、知っておくのは、暗記部分でも楽しく暗記できるのでおすすめです。PILOT専門進学塾では、中学生向けにWING倶楽部737という学習塾を開いており、まさにそこでの課外活動が、この学習にぴったりです。
パイロット 航空無線通信士(航空通)法規 勉強方法と勉強時間
航空無線通信士(航空通)の法規で合格するには、途中つまる事なく、読み進めていくことが大切です。仮に理解できない箇所があっても、拘らない方がいいです。理解できる部分から読み進めて、その部分の過去問を解いてみる。その繰り返しが大切です。法律家でもなければ、法律の難しい文章は、苦でしかないと思います。理解しようと立ち向かうのではなく、ペース感を大切に、とにかく読み進めて、過去問解いてのループに耐えれるかどうかがポイントです。
航空無線通信士(航空通)法規の勉強時間は、およそ24時間ほどです。基本的には暗記の科目になりますので、暗記が得意な方とそうでない方の個人差が大きいと思ってください。暗記重視だからこそ、1日1時間から、コツコツと積み重ねることと、仲間と一緒に、クイズ形式で互いに出題し合うなどすれば、比較的短時間で終わると思います。
パイロット 航空無線通信士(航空通)英語 勉強方法と勉強時間
航空無線通信士(航空通)の英語で合格するには、英語の基礎学力(長文読解)と、航空無線通話に興味を持つことが大切です。最近では、日本はもちろん、世界中の空港の無線通話をネット上で聴くことができますし、フライトレーダーでリアルタイムな航空機の位置だって分かります。つまり、英語での通信を聞いて、レーダーを見て答え合わせができるんです。日本では羽田空港や伊丹空港の無線通話を聴くことができますので、試してみてください。
さらに、長文読解でも、航空系ニュースには目をむけるべきと思います。世界中のニュース配信サイトで、航空系の記事は必ず目を通すと良いでしょう。
興味がない分野の長文読解をするよりも、興味のある分野の方が、勉強もはるかに捗ることでしょうし、航空無線通信士(航空通)の受験勉強だけでなく、今後のパイロット人生(航空管制官人生)にとって、無駄は全くありません。
航空無線通信士(航空通)英語の勉強時間についてですが、英語の基礎学力(例えば英検準2級程度)をお持ちの方であれば、およそ15時間ほどでしょう。楽しく学べる教科ですね。繰り返しになりますが、受験直前に15時間詰め込みをしても無駄です。1日1時間から、コツコツと積み重ね、航空無線通信士(航空通)英語ならではの長文読解やリスニングになれることが大切です。もちろん、受験したことのある仲間や先輩を頼ると、さらに短時間で終わると思います。
パイロット 航空無線通信士(航空通)電気通信術 勉強方法と勉強時間
航空無線通信士(航空通)の電気通信術で合格するには、フォネティックコードをとにかく覚えることと、正しい発音をしっかりと意識することです。実際にパイロットや航空管制官が話す航空無線を聴くことはできますが、彼らの発音と、標準教科書(英語の中にある)に定められている発音とは、だいぶ違う部分があります。フォネティックコードは、無線通話上のミスをなくすためにあるものなのですが、その特殊な事情ゆえに、アクセントが複数ある単語も存在します。その辺りを正しく発音しないと、減点とされる場合がありますので、注意が必要なのです。
なお、電気通信術の発話(Speaking)の試験については、「始めます本文」から発話しないといけないなどなど、細かなルールが設定されています。詳しくは、日本無線協会の試験案内の中に詳しく載っていますので、よく注意してください。
航空無線通信士(航空通)電気通信術の勉強時間についてですが、フォネティックコードを既に知っている方なら受験前に1時間程度。知らない方なら、暗記から必要ですのでおよそ6時間でしょうか。こちらも楽しく学べる教科ですが、正しいか正しくないかの判定をしてくれる第三者が必要なため、練習する仲間が必要不可欠です。仲間と一緒に、クイズ形式で互いに出題し合うなどすれば、比較的短時間で終わると思いますが、楽しくやることが大切なので、他の勉強の合間の休憩時間にフォネティックコードを発話し合うなどで十分かと思います。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 独学 勉強方法
どうしても航空無線通信士(航空通)を、誰に頼ることもなく受験されたい場合には、正直、学習時間や参考書の購入費用など嵩みますが、可能は可能です。
先述の標準教科書の購入に加えて、航空業界の知識や経験も必要になってきますので、航空系の雑誌や無線雑誌などは、必ず読むようにしてください。月刊航空技術(月刊誌)は参考になるかと思いますし、航空技術協会の会員になれば定期購読もできます。他にもYoutubeなどで動画も公開されていますので、参考にしてみてはと思いますが、仲間がいるのといないのでは、勉強時間が大きく変わってきますので、なるべくであれば、航空専門家やパイロットの先輩方に習うことや、パイロットや航空管制官を志す仲間と共に、受験勉強されることを強くお勧めします。
繰り返しにはなりますが、PILOT専門進学塾に入塾された方には、専門教材や動画解説もありますし、パイロットの先輩方や仲間と一緒に、授業ではなく勉強会(無料)を行なっていますので、かなりお安く受験勉強が可能ですし、航空無線だけでなく、それ以外の受験勉強も並行して行いますので、効果は最大です。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 使い道 何ができるのか
いよいよ早期受験をして、合格したとします。
まだ訓練が始まっておらずパイロットになっていないのに、航空無線通信士(航空通)はどのような使い道があるのか?何ができるのか?考えてみましょう。
まず航空無線通信士(航空通)は、アマチュア無線4級(4アマ)と同等の資格とされているため、4アマで操作できる無線設備を用いて、世界中と交信することができます。
そんな使い道があったとは驚きですね。
実際に、パイロットなど航空関係者の方でアマチュア無線家の方が昔は多かったですね。
また、航空無線通信士(航空通)を既にお持ちの方で、何ができるのかを知りたくで、当ページにたどり着いた方は、パイロットや航空管制官の採用試験では効果を発揮しますので、ぜひ他条件さえ合えばチャレンジしていただきたいと思います。
もしパイロットや航空管制官を目指さない方であっても、空港で働くための資格として航空無線通信士(航空通)を持っていると、職業選択の幅は広がりますので、航空無線通信士(航空通)は取得して無駄はありません。(現在、空港職員は大幅に人材不足です)
パイロット 航空無線通信士(航空通) 試験結果確認 合格へ!
航空無線通信士(航空通)の受験が無事に終わった方!
長い時間をかけての勉強、誠にお疲れ様でございました。
航空無線通信士(航空通)の試験結果確認ですが、3週間後を目処に、メールにて送付されます。メールの記載に従ってダウンロードサイトから試験結果通知書をダウンロードしてください。
え?3週間待てないって?
では、受験から数日後に、日本無線協会の公式サイトにて、模範解答が発表されますので、それを使って自己採点をしてみましょう。
科目によって合格点が異なりますので、公式サイトの説明に従って採点・合格判定をしてくださいね!
電気通信術は自己採点できませんので、合格しているかどうかは、正式な試験結果確認(3週間後のメール)までのお楽しみです。
パイロット 航空無線通信士(航空通) 免許証 申請方法
受験から3週間後のメールにて、無事に合格の文字が確認できれば、総務省 総合通信局 宛てに無線従事者免許申請書を提出することになります。これは合格通知から3ヶ月以内だそうです。
詳しくは、申し込みの際の、日本無線協会のホームページから詳細を確認してください。
手続きはここに掲載されているものとは、新しく別の方法になっている可能性もありますので、あくまでも公式サイトの通りにお願いしますね!
免許申請方法
まず、以下の通り必要なものを用意してください。
- 無線従事者 免許 申請書 (メール内にあるリンクからダウンロードする。「無線通信士」用をA4にプリントアウトすること)
- 氏名と生年月日を証明する書類 (住民票や戸籍抄本や印鑑証明書など公的なもの ただしコピー不可なので運転免許などはダメ)
- 手数料(1750円分の印紙 申請書へ貼付 印紙はコンビニで購入できる)
- 写真(縦30mm×横24mm 申請書に貼付 他細かな指定があるので注意事項をよく読むこと。一生残る写真なのでパイロットらしく撮りましょう)
- 返信用封筒と切手(大切な免許証の送付ですから簡易書留にしましょう。自分宛封筒に赤字で簡易書留と記入し、郵便局にて切手を貼ってもらいましょう)
以上をまとめて総合通信局へ郵送すると、数週間程度で、免許証が送られてきます。楽しみですね!
エアラインパイロットとして、一番最初の国家資格取得の完了です!
おめでとうございます。
パイロット 航空無線通信士(航空通) まとめ がんばれ受験生
いかがでしたでしょうか。
本格的にパイロットを目指し始めた方は、とやかくやらない理由を並べずに、航空無線通信士(航空通)をぜひ早期取得してみてください。
早めに準備をしていった方が、大手エアラインパイロットになっていきます。
航空無線通信士(航空通)の解説コラムだけで、まさか1万字近く行くとは思いませんでしたが、ちなみに、この内容は、今までは、私大航空操縦受験生や、自社養成受験生向けに、パイロットならではの専門的な解説をしている「PILOT専門進学塾の専門指導」の中で、15分くらいかけて説明していたものです。
ちなみに専門指導は、年間約120時間(マンツーマン換算24時間)設定されますので、この航空無線通信士の解説は、専門指導全体のうちの、わずか0.2%程度の専門情報に過ぎません。
そもそも、航空無線通信士の勉強なんて、私大航空操縦や自社養成を受験される方にとって、パイロットならではの専門的な準備の中でも、ほんの一部でしかありません。我々パイロット養成の専門家集団が持つ情報量の膨大さ、影響力にぜひ気づいてください。
受験生の方にとっては、正確な情報や的確なアドバイザーも大切ですが、何より、同じ航空業界を目指す大勢の仲間と共に、勉強していくことがどれだけモチベーションにつながるかと思います。
ご入塾いただいた方は、全員が航空無線通信士(航空通)の勉強会に無料参加できますから、ぜひご入塾ください!お待ちしています。