〜あの日見た飛行機雲〜 国際線機長40年の想い 第七章 天候=未知との遭遇7−5
マイアミの朝霧
1983年4月某日、DC8-62操縦中の出来事です。
当時、成田=ロサンゼルス=(マイアミ)=サンパウロの南米線のお客様は、ロスでB747からDC8に乗り換えて途中の給油地マイアミを経由して行きました。
帰路のサンパウロ=マイアミは早朝に到着する時間帯でした。
この日は珍しくマイアミの天候が、朝霧でビロウミニマム(進入限界以下)で侵入出来ないという知らせがカンパニーレデイオ(会社の航務)から入ってきていました。
日が昇れば良くなるだろうと近づいて行きましたが、一向に回復しません。
空港上空には先着の3,4機が上空待機しています。
我々も場所と高度を管制からもらい、待機を始めました。
それから少ししてJALマイアミ支店の航務から、回復の見込みが少ないからタンパ空港(フロリダ中部、30分弱)へのダイバート(目的地変更)を勧められました。
普通ダイバートは支店も乗員も面倒な仕事が増えるため、なるべく避けたい気持ちが強いです。
ですから、支店側の方がぎりぎりまで上空待機を求めるケースが多かったように思います。
当時のマイアミの所長はJALの便で来た人でなくても、領事館の人に頼まれて日本から来た要人の面倒を見る人で、勿論仕事も良く出来る人でした。
彼が言うのだからとダイバートする方に傾きかけましたが、燃料も計算し直して「もう少し様子を見てみる」と告げました。
周りのATC(航空管制)を聞きながら待機していると、PAA(パンアメリカン航空)が通常使うのと違う滑走路に進入し始めています。
「よし、我々も後に続いて行こう、一回試して駄目ならタンパだ」
どういう情報でPAAが違う滑走路に進入し始めたのか知りもしませんでしたが、結果は正解でギリギリで滑走路が見え、我々も着陸することができました。
推測ですが、PAAはマイアミが基地なので気象条件に明るく、経験や風向などから何本かある滑走路の中で「霧の薄い」滑走路方向を知っていたのでしょう。
ダイバートせずに済んだ理由はPAAのお陰ともう一つ、若いFEが気を利かせて電波高度計を細かく読んでくれたことです。
当時通常操作には決められてない事だったが、霧の中の着陸に非常に有効で助かりました。
彼はその後JALでFEという職種が無くなって行くときに、パイロットに移行して優秀な機長になっていきました。
この若いFEのように自分の任せられている仕事をこなしているだけではなく、周り全体を見てその時の状況に合った判断と行動ができる人がパイロットに向いている人だと思います。

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