ステイ先で学ぶ政歴シリーズ 海外編13〜トルコ 日本とトルコの知られざる絆〜 第1章
皆さん、こんにちは!
JAMBO STAFFです!
皆さんは「トルコ」と言えば何を思い浮かべますか?
ドネル・ケバブやトルコ風アイス、アクセサリーで人気のあるターコイズなどと…実はトルコ文化は私たちに身近な存在なのです。
日本ではトルコの食べ物やアクセサリーは好きだという人はたくさんいますが、トルコについて詳しく知っている人は少ないと思います。
一方、トルコは親日感情が非常に高く、なんとトルコ人の9割が日本に対して非常に好感情を持っていると答え、トルコにとって重要なパートナーはどこかという調査では、距離的には相当離れているにも関わらず、イスラム諸国に次ぎ、2位という結果が出ました。
どうしてトルコはここまで日本に対して好感情を持つ人々が多いのでしょうか。

エルトゥールル号遭難事件
日本とトルコの友情の歴史は明治時代初期にまで遡ります。
1887年、皇族小松宮親王がヨーロッパ各国へ歴訪した際にトルコ(当時はオスマン=トルコ帝国)に立ち寄り、その返礼として皇帝アブデュルハミト2世は、軍艦エルトゥールル号を日本に派遣し、親書を明治天皇に奉呈することを命じました。
600名以上を乗せた軍艦エルトゥールル号は1890年6月7日に日本に到着し、オスマン=トルコ帝国の使節団は皇帝アブデュルハミト2世からの皇帝親書を明治天皇に奉呈し、帰還しようとしました。
しかし、当時台風が迫っており、木造の旧式船のエルトゥールル号は台風に耐えられないと日本側は台風通過まで待機するように勧告しましたが、台風を理由に長く日本に留まることはオスマン帝国の国力低下を世界中に知られることを危惧したエルトゥールル号は日本の勧告を振り切り9月15日に出航しました。(当時、オスマン帝国は著しく国力が低下しており、トルコ以外の自国領内に居住しているトルコ人以外のイスラム系民族達が分離独立を求めていたり、その隙を突いてイギリスやロシアが介入しようとしている状況だったので、国力低下を国内外に知られる事を恐れたのは単なる見栄ではなく、切実な問題でした。)
日本の勧告を振り切って出航したエルトゥールル号ですが、出航から1日経った9月16日の夜、案の定台風に巻き込まれ、和歌山県紀伊大島沖の岩礁に衝突し、沈没しました。
この時に600名以上の乗員、全員が海に投げ出されました。
海に投げ出されたほとんどの乗員は波に飲まれて死亡しましたが、十数名が紀伊大島、串本町の樫野埼灯台に辿り着くことができました。
駐在していた灯台守が傷ついて衰弱しているエルトゥールル号の生存者を発見し、串本町の住民達に通報したところ、串本町の住民達は総出で救助と生存者の介抱にあたりました。
串本町住民の必死の救助活動により、海に漂う数十名が更に救出され、最終的に69名の命が助かりました。
生存者69名は寺や学校に収容され、住民達から手厚い介抱を受けました。
この時、住民達は台風の影響で漁に出られず、食料の蓄えはほとんど無かったのにも関わらず、衣類や芋類の食料、更には大切な財産である家畜をも供出し、救護のため尽くしました。
この出来事は明治天皇の耳まで伝わり、明治天皇は政府にエルトゥールル号生存者に対して、できる限りの援助を行うように指示し、翌日には各新聞の一面を飾るニュースとして報道され、日本中からエルトゥールル号生存者とオスマン帝国に対して義援金と弔慰金が送られました。
こうした串本町住人の手厚い介抱と日本人全体の想いのかいがあって、生存者は全員回復し、皆健康な状態で祖国トルコに帰還することができました。
この出来事はオスマン=トルコ帝国中に瞬く間に広がり、当時のオスマン帝国の人々は今まで誰も知らなかった極東の小国をとても良い形で知る事となり、日本と日本人に対して大きな好印象を抱きました。
エルトゥールル号遭難事件については、現在もトルコでは教科書に乗っているほど知られており、映画も作られています。
「海難1890」という映画があるので、気になった方はそちらをご覧ください!
串本町住人が起こした奇跡により、日本とトルコ間では永きに渡る友好関係が続くことになります。
そして、エルトゥールル号遭難事件から長い年月が経った1985年…、日本とトルコの友情は新しい奇跡を起こす事となります。
第2章に続く・・・

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