自社養成と航空大学校、対策を間違えると私大操縦よりもお金がかかる可能性
パイロット志望の皆様こんにちは。JAMBOスタッフの伊藤です。
最近、公式LINEを稼動したこともあり、多くのお問い合わせをいただくようになりました。
パイロットになるための資金があまりかからないとされている自社養成や航空大学校に進学したいという方がやはり多い印象です。
確かに自社養成や航大は私大操縦よりも表面的には安く映ります。しかし、その内実やリスクを知っておくと必ずしも「安上がり」ではないとも言えますので、今回は自社養成と航大が考えている以上にお金がかかってしまうリスクについてお話したいと思います。
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自社養成を甘くみてはいけない
パイロットを目指しているという方の殆どは自社養成を狙っていらっしゃるかと思います。そのためにどのような大学に行けば良いのか、面接はどんなことを聞かれるのかと多く質問をいただいています。
結論から言わせていただきますと、自社養成は一般企業の就活対策でどうにかなるレベルのものではございません。
まず自社養成の倍率は100倍以上ということに加えて会社独自の基準がいくつも設けられており、定員に達さないままその年は終了するケースもあります。
正直、この自社養成を突破するのは天才レベルの方か、長年、早い人では中学生の頃から長期戦略を練って自社養成に向けて準備してこられた方くらいしか合格するのは難しいです。他の手段でパイロットになろうとすれば十分にパイロットとして採用されるであろう人も平気で不合格になってしまうのが自社養成の世界です。
なぜ自社養成がこんなにも難易度が高いのかというと、エアラインパイロットとして募集しているのに加えて、将来的に会社の運営もお任せすることを念頭に置いた所謂、幹部候補生の募集でもあるからです。
エアラインという国を代表するような大企業を背負って立つような人材の募集ですから、当然求められる能力は高くなります。パイロットになる適性+αが必要となってきます。
私大はお金がかかるから一般大学に行って自社養成を目指そうとする方がほとんどですが、余程の天才でない限り一発で自社養成に合格することは難しく、何回も就職浪人をされている方が多いです。すると結局大学4年間の学費と生活費、就職浪人期間の費用を合わせると私大よりも多くのお金がかかってしまっているというケースはよくあります。
しかも、何回か浪人して本当にパイロットになれるのならいいのですが、ほとんどの場合は30歳になるまでに合格することができず、最終的にはパイロットの道を諦められるという方が大多数です。

航空大学校は「絶対にパイロットになれる学校」ではない
航空大学校を資金が安く、絶対にパイロットになれる養成機関と思われている方が多いのですが、航大でライセンスを取得して卒業したからといって、そのまま各エアラインに配属されるなんてことはありません。
航大卒業後、私大卒業生同様にエアラインの就職試験を受けてエアラインパイロットになっていきます。
航大卒業生はエアラインの心証がいいようなイメージがありますが、エアラインの採用試験ではそこは殆ど関係ありません。むしろ、航空会社一部負担金が足枷となり、景気があまりよくない(採用が少ない)状況下では航大出身であることが足を引っ張ってしまう可能性もあります。
理由についてはここでは詳しく書けませんので、理由を知りたい方は是非パイロット相談室をご利用ください。
また、航大は純粋に入学試験の難易度が高いです。倍率は7〜9倍ほどです。そして試験内容がかなり理系寄りのため、文系の方は非常に不利な戦いを強いられます。
航大もとても受験難易度が高いため、一発合格できない方は普通にいらっしゃいます。何度目かの挑戦でようやく合格・・・。なんてことが普通の世界です。
航大を受験するには四年制大学に2年以上在籍して62単位以上取得することが必要ですので、一般大学に入学し、何度も航大受験にチャレンジしている間に気がついたら最初から私大に行っていた方が安上がりだったね、なんてこともあります。

パイロットになる道の選択は慎重に
金銭的な負担を軽くするためにできるだけお金がかからないでパイロットになれる方法を模索するのは当然ですし、そう考える頭がなければパイロットには向いていないと思いますが、進路を考える際はどうか表面の数字だけで判断しないでほしいと思います。
現実的に自分は自社養成を突破できる能力を持っているのか、意味のある対策をできているのか、航大を選ぶリスクとは何なのか、私大にはどのような制度があって奨学金があるのか・・・。多角的に分析してください。
もし自分に合っている進路がよく分からない、自分が考えている進路を選んだ場合のリスクを知りたいということがございましたら、遠慮なくパイロット相談室までご相談ください。

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