ステイ先で学ぶ政歴シリーズ 海外編8〜ウクライナ 憎悪の連鎖〜第2章
ウクライナ、受難の歴史
ウクライナは1600年代、近世のヨーロッパ世界においてはかなり広い領域を持ったコサック(権力者への従属を嫌う傭兵集団)の土地でした。
当時、ウクライナとコサックたちはポーランド=リトアニア共和国の支配下にあり、同化政策により、コサックを文化的に滅ぼそうと目論んだポーランド=リトアニア共和国にコサックが反抗してコサックの指導者、ボフダン・フメリニツキーが武装蜂起を起こして独立戦争を起こしました。
独立戦争の最中、当時まだ新興国で勢力の拡大を狙うロシア・ツァーリ国は、ウクライナ独立を支援する名目でこの独立戦争に介入します。
結果、ウクライナの独立は成し遂げられたものの、ウクライナにロシアが強い影響力を残すこととなり、1654年にウクライナはロシアの保護国(事実上の植民地)になってしまいました。
1657年にはロシアの強烈な支配に嫌気がさしたウクライナがポーランドへの帰属を求めると、ロシアは武力を持ってこれを鎮圧。このウクライナ・ロシア戦争とその敗北によって更にロシアの支配は強まる結果となり、1781年には完全に自治制が廃止され、1783年には農奴制が敷かれることとなりました。
事実上、完全にロシア領となり、併合されていたウクライナではロシアによる徹底した同化政策が行われ、多くのウクライナ人にとって辛い時間が数十年間も続きました。
後に第一次世界大戦が勃発し、ロシア帝国がロシア革命によって崩壊するとウクライナはこれを好機とみて社会主義国家として独立しましたが、崩壊した帝政ロシアに代わったソビエト・ロシアはウクライナ人による自治政府を認めず、ウクライナに宣戦布告。ウクライナ・ソビエト戦争が始まり、この戦争により10人に1人のウクライナ人が死亡し、ウクライナは完全にロシア主導のソビエト連邦に組み込まれることになりました。
ソ連に取り込まれたウクライナの受難は更に続き、1920年代から1930年代にかけてソビエト連邦が推進した、農業の集団化政策と無理な穀物輸出政策により飢饉が発生しました。
飢饉が発生してもウクライナから収穫される穀物の徴発と輸出は止まらず、ウクライナ人全員が飢える事態となりました。
この政策に反発すると、「反革命的な民族主義者」として殺されるか、シベリアへ流刑となりました。
飢えた人々が道端に倒れて死んでいるというのが当たり前の光景になり、中には死んだ者の肉を食べる者、死んだわが子の肉をパンと交換しようとする者まで出て、ウクライナはこの世の地獄となりました。
ウクライナ人の反露感情
以上の出来事から、多くのウクライナ人はロシアを憎悪しており、1941年、第二次世界大戦時にナチス・ドイツがソ連領であるウクライナにも侵攻してくると、侵略者であるドイツ軍を「解放軍」として喜んで歓迎したくらいです。
ドイツ敗北後、再びウクライナはソ連に戻りましたが、ドイツの協力者が多くいたために、ここでも多くのウクライナ人がロシアによって殺されました。
戦後になってもソ連政府によるウクライナ人への弾圧は続き、ソ連の指導者、スターリン死後の1953年まで事実上の虐殺は続きました。
それ以降もあからさまな弾圧は無くなりはしましたが、多くのウクライナ人は国家の社会保障を受けられず、貧しい生活を余儀なくされたのに加えて、1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電事故(ウクライナ領内)が発生し、放射能汚染により多くの人々が健康被害を受け、今尚苦しみ続けています。
このような歴史を歩んできたウクライナの反ロシア感情は、半端なものではなく、一度何かが起きれば一気に火がつき、戦争に発展するレベルなのです。
加えてロシア時代にウクライナ内に移住してきたロシア系住民に対する激しい差別問題と、それに対するロシア系住民の反発という問題も孕んでおり、それが今回の内戦の引き金になっています。
パイロットは、安全航行を実現するためにも、このような世界各国の歴史問題を知っておく必要がありますね!

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