ステイ先で学ぶ政歴シリーズ 海外編6〜ベルギー 恐怖の”私経営”植民地〜第2章
“私経営”の行き詰まり
何はともあれ、レオポルド2世は、念願の植民地を手に入れることができました。
レオポルド2世は、コンゴを効率的に運営していくために鉄道を敷設し、奴隷商人の立ち入りを禁じたりと、コンゴの発展を考えての政策を多く実現していきました。
しかし、数年もすると、いくら一国の王とはいえ、個人的にコンゴという広大な土地を運営、更には発展事業までも行わないといけないとなると、すぐに財産は底をつき、レオポルド2世も王様とは思えないような貧しい生活を送るようになりました。
しかし、ベルギー議会は、コンゴの経営には一切関わらない方針だったため、国王がそのような状態に陥っても一切助けず、無視し続けました。
これによって、コンゴの運営は完全な経営破綻を起こし、最初はコンゴのためを思って運営を行なっていたレオポルド2世は、現実という大きな壁にぶつかり、次第に精神も病んでいきました。
恐怖のブラック統治の開始
レオポルド2世が病み始めていた時、とある物が発明されました。それは「自動車」です。
自動車の需要は、軍・民共に世界中で瞬く間にうなぎ上りになり、空前の自動車ブームとなりました。
世界で自動車需要が高まると、タイヤの需要も高まり、タイヤの原材料となるゴムを産出するコンゴは一転して宝の山となりました。
レオポルド2世は今までの失敗を挽回するためにも大量のゴムを生産、輸出しようと画策。
大幅なゴム増産計画の結果、ゴムの生産量は24倍以上に膨れ上がりました。
しかし、これは裏を返せばコンゴ住民の労働時間が24倍以上になったということであり、無理な労働計画により、多くのコンゴ住民が倒れていきました。
しかし、生産量を減らしたくないレオポルド2世は、コンゴ住民に厳しいノルマを課し、そのノルマを達成することができないと鞭打ちや家族が人質に取られたりし、それでもノルマを達成できないと手足を切り落とすという、とんでもなく思い罰を課しました。
このような地獄のような統治を行なった結果、20年足らずでコンゴ住民2000万人以上が亡くなりました。
こうした惨状は「私有地」だったこともあり、レオポルド2世は国内外のジャーナリストを一切コンゴには入れず、惨劇の発見が遅れてしまいました。
最終的に、惨劇が始まってから20年以上経って、内部の事情を知る人物からの告発が相次ぎ、国際社会の知るところとなり、レオポルド2世とベルギーは世界中から非難され、焦ったベルギー政府は半ば国王からコンゴを強制的に取り上げる形でコンゴの運用・経営権を買取り、正式に国家としての植民地としました。
国内からもレオポルド2世は大きく非難され、誰一人として王に対して敬意を表す国民はいなくなりました。
国内外から非難される中、レオポルド2世は必死に自己弁護に走り、イギリスの陰謀であると繰り返し述べて、追及から逃げ回り、コンゴの運営権を買い上げられた一年後の1909年、レオボルド2世は崩御しました。
あまりの暗君ぶりに、レオポルド2世の葬儀では、民衆からのブーイングが起き、レオポルド2世の棺に唾を吐きかける市民すらいる始末で、葬列を警護している警官や軍人もその行為を止めなかったといいます。
こうして、自業自得の惨めな最期を迎えたレオポルド2世がいなくなり、ベルギーはめでたしめでたしですが、一方的な被害を受けたコンゴの傷は現在に至るまで深く残り続けています。
ヨーロッパの美しい国々の発展の影には、このような悲惨な歴史があることを知っておいたほうが良いですね。
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