パイロットになるには何の教科が必要?
パイロット志望者の皆さまこんにちは!
JAMBO理事長・パイロット相談室の冨村です。
まだまだコロナ禍の終息が見えない日々が続いていますが、PJ SFA羽田空港校・パイロット相談室は本日も元気に開放しております。
もちろん、羽田空港まで来るのには自家用車で来ない限り電車などの交通機関を使用しなければ来校できないので、オンラインでの相談も受け付けております。
パイロットになるのに必要な教科
パイロット志望の皆さんは「パイロットになるためにはどの教科を勉強するべきか」ということを調べられていることでしょう。
パイロットになるために押さえておくべき教科と範囲については、有料のパイロット相談でお話しする内容なので詳しくはこの記事では書きませんが、皆さんがお調べの通り、英語と理系科目が主であることは間違いありません。
しかし、これはあくまで「パイロットになるための養成機関(学校)に入るために必要な教科」であって、「パイロットに必要な教科」ではありません。
では、パイロットになるために必要な教科とは何でしょうか?
答えは「全教科」です。
パイロットに必要な感覚はバランスです。
英語と理系科目がよくできているからといって、国語や地歴公民を含めた教養も持ち合わせていないとパイロットにはなれません。
例えば、国際線のパイロットになった場合、皆さんの操縦する飛行機は日本から様々な国の上空を通過して目的地の国際空港へと向かいます。
そこで通過する国々と目的地の国の周辺国との歴史、現在の状態、あるいは日本とその国々の歴史と現在の関係を知っているパイロットであれば、当事国家間で何らかの緊張が発生している場合に事前に危険を察知でき、フライト前に当事国上空を通過しないような航路に変更することを提言したり、あるいは欠航を提言して多くのお客様の命を救うことができます。
ここ数年だけでも緊張が高まり、大規模な紛争に発展したものだけでも、ウクライナ内戦(2014年)、イエメン内戦(2015年)、イラン危機(2019年、2020年)、アルメニア、アゼルバイジャン間で発生したナゴルノ・カラバフ紛争(2020年)と4つも挙げられます。
これらの紛争の詳しい説明については、是非ご自分で調べていただきたいと思います。
これら危険な状態にある空域を飛行したり、離着陸することは非常に危険です。
実際、ウクライナ内戦とイラン危機では軍の誤射による民間旅客機の撃墜事件が起きてしまいました。
両事件とも言えることですが、何の前触れもなく突然始まったわけではなく、何年も前からその兆候は現れており、そもそも当事国と周辺国の歴史を知っていれば予測できたことでした。
死者に鞭打ちたくはありませんが、パイロットは乗客・乗員全員を無事に送り届けることが任務の職業です。
ですので、パイロットを目指す皆さんは、これらの事件をみて「かわいそうだな」で済まさず、「何かできたことはあったのではないか?」、「もし自分だったらどうしたか?」と考えていただきたいと思います。
このように、一見パイロットと関係ないように見える教科も、「職業としてのパイロット」を目指すためには、必ず押さえておかないといけないのです。
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