機内アナウンス PA が乗客にどう影響するか
パイロット志望者の皆さまこんにちは!理事長・パイロット養成コンサルの冨村です。
本日は、パイロット志望の皆さまも、いつかきっとやってみたい!機内アナウンスについて考察してみたいと思います。
早速ですが、本日入りたてのネット記事からご紹介させてください。
まいどなニュース 2022年10月22日より引用
10月6日夜、名古屋上空を飛ぶスカイマーク国内便で、機長のアナウンスが始まりました。目的地までの飛行ルートなどを一通り説明し、「私事ですが」と断って話し始めたのは、14年前の少年との出会いでした。
拍手が起きた機内アナウンスの記事に対するコメントを紹介
この記事には、冨村も、たいへん感動させられました!
私もエアラインパイロットを育てる立場であり、お陰様で教え子に恵まれたなと、最近つくづく思います。
浅井機長がアナウンスをしてまで、その喜びをお客様みなさまに伝えたかった、、、その気持ちをとても共感いたしました。
このお仕事をいただいて、15年目に入る私にも、同様の経験があります・・・
・・・お父さんとお兄ちゃんに連れられて遊びに来てくださった小学生の男の子が、やがて高校生になり入塾してくださって、今ではパイロット訓練生として日々頑張っています。その子ももうすぐ就職試験です。
そんな月日が流れる中で、自分もまた歳をとり、たくさんの苦労を知り乗り越えてきた。
同時期に、自分を慕ってくれた子は、まだまだ若いのに、ものすごく思い責任を背負ってパイロットとなり、何度も苦労を乗り越えて、諦めることなく夢を叶えた。
そこまで幸せを感じる瞬間は、なかなか味わえないかなと思います。
ただ、公共交通機関のなかで、機長が私的なアナウンスをすることに、どのような反応があるのだろうか?とも心配になりまして、私なりに、この記事に対するコメントなど見てみましたが、結果、以下のような好意的なコメントが圧倒しておりました!
- 素敵なお話。心から感動しました。
- 親として涙が出ました。
- 久しぶりにいい話に出会えた気がします。
- こんなに良い話は感動します。
- 何て素晴らしい出会いとその後の展開なんでしょう。
- ただただ泣けた。とても良い話だった。
一時期「機内アナウンス」がトレンドワードのトップに出ていたほど話題になりました!
気になったのは、機長のアナウンスに対する反対論。
コメントを200件ほどずっと探してみたのですが、実はほとんど見つかりませんでした。
中には「コンプライアンス」を気にされるコメントがあった模様ですが、それだけ世間では、このニュースを好意的に受け止めてくださった、ということなんだと理解しました。
機内アナウンス PAとは?
巷ではよく「機長のアナウンスが良かった」などの話をよく聞きます。
また、いくつかの航空会社においては、機内アナウンスを研究するなど、パイロット主体の勉強会的なものも行われている様です。
では機内アナウンスとは、いったい何でしょうか?
機内アナウンスのことを、PAと言います。
PAとは、Public Addressとか、Passenger Addressという意味で、addressとは公式の挨拶という意味がありますので、乗客に向けたご挨拶、という様に考えていただければよろしいかと思います。
コックピットや客室乗務員からのアナウンスは、通常のご挨拶だけではなく、緊急時のアナウンスなども同じ回線を使って行われることから、アナウンスは内容問わず、仕組み上、第一優先されてしまいますので、機内エンターテイメントで、映画や音楽を楽しまれている方からすると、ちょうど良いところでアナウンスが入って、番組が止まってしまった、とか、アナウンスのせいで、番組を最後まで観られなかった、などなど、クレームになることも多いのです。
さまざまな意見が飛び交う現代ですから、全ての意見を集約すると、無駄なアナウンスはするべきではない、とか、極力短時間で要件のみ、、といった傾向になりやすいため、以前のような、機内アナウンスが上手な、名物機長、なんて話は、以前ほどは聞かれなくなりました。
機内アナウンスが乗客に与える効果とは
飛行機をご利用されるお客様はたくさんいらっしゃいますから、全てのお客様に配慮したアナウンスというのは無理があると思うのですが、機内アナウンスの役割というのは、快適なフライトを提供するだけではないと冨村は思います。
航空機は、他の乗り物と違い、いわば密室状態。
一度動き出したら、着陸するまで動き続ける(しかない)乗り物です。
そんなお客様は、一人ひとりこそ価値観も違い、望んでいるサービスも違うわけですが、安全なフライトを構成する上では、その一人ひとりも大切な要素です。
一度私は離陸前の機内での喧嘩に遭遇したことがありましたが、当然、離陸できずにゲートまで戻り、警察官が連行し、当該客の預け荷物を出して(爆発テロ防止のため)、燃料補給をやり直さないといけませんでした。1時間くらいの遅延です。
鉄道だったり、他の公共交通機関の場合は、さほどまで遅延しないのではと思いますが、航空機は密室ですから、お客様のご協力があって、機内の秩序が守られてこそ、安全運航が成り立つのです。
そんな機内で、パイロットや客室乗務員がすべきことは、快適なサービスや定時運航はもちろんですが、その機内の秩序を守ること、つまり、焦るお客様に安心感を感じていただき、落ち着いていただくこと、すなわち、機内の良いムード作りも必要なのだと思うのです。
共感を生む機内アナウンスは、航空会社のファンを獲得する
機内の良いムード作りといっても、お客様もハッピーな観光路線ばかりではありません。
ビジネス客が大半の路線もあるし、悲しい事情を抱えたお客様だって搭乗されます。
そんな中でも、良いムードを作るアナウンスをするには、たった一つ考えるべきことがあります。
それは、共感を生むアナウンスを心がける、ということだと思います。
乗っている様々なお客様に対して語りかけること。
それは、口にこそ出しませんが次のようなことなのだと思います。
「短いフライトではありますが、当機に乗っているお客様、そして乗務員のこの組み合わせは、このフライトが最初で最後。つまり一期一会のフライトになります。このフライトが、お客様一人ひとりにとって最高のフライトとなるように、お客様同士でも、お互いに配慮をして(喧嘩しないように)、ご協力いただきたい。皆様で力を合わせて、安全運航、そして定時運航を叶えましょう」
その様なことを機内アナウンスで言ってしまえば、たちまち、上から目線とか、お客様に協力を求めるな、とか言われますので当然言わないし言えないのですが、でもお客様もまた、安全運航のための大切な要素であることを、パイロットはよく理解しているはずです。
この共感を生むアナウンスが、結果、良いムードを作り出し、搭乗客そして乗員の気持ちを一つにして、結果、オペレーションノーマルが達成できるのです。
私は、パイロット志望者に対して、いつも伝えていることがあります。
それは「貴方のファンを獲得しなさい」ということです。
応援してくれるファンの存在は、幾度となく訪れる大きな壁を、諦めずに何度も乗り越えなければならないパイロットにとって、とても大切な存在です。
いつも謙虚でいること!
仲間を尊敬すること!
そうすると、同期も良きファンとなってくれます。
もちろん、家族も先生も教官もファンのうちです。
こうしてファンを増やしていくことで、就職試験の際には、採用担当者もファンになるでしょうし、航空会社に入ってからは、お客様がファンになります。
スカイマークの浅井機長は、自身がお若い時から、そのことを自覚されて、たくさんの苦労を乗り越えて生きてこられたのだと思います。
そんな機長の温かい心が、14年の年月を経て奇跡を起こし、その感動が157便のお客様に伝わり、そして今日は、トレンドワードトップになるほど、日本中を感動させ、またスカイマークのファンを増やしたのかな?と思いました。
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