映画レビュー2 〜ターミナル〜第2章

前章でレビューした映画「ターミナル」。

今回は、ターミナルの裏話を二つほど紹介したいと思います。

舞台となったJ・F・K空港、実はフルセットだった

物語の舞台となり、主人公と登場人物が様々なドラマを繰り広げたジョン・F・ケネディ国際空港ですが、実はロケを行おうとしたところ、映画が公開される3年前の2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件から続いている警戒態勢で空港内での撮影許可が降りませんでした。

そこで監督スティーブン・スピルバーグは、「だったら空港を作ればいいんじゃないか」と、カルフォニアにジョン・F・ケネディ交際空港とそっくりの巨大な建造物(セット)を作らせてしまいました。

その出来栄えは、映画を見た人が言われなければ絶対に分からないほど精巧な作りで、その奇跡的な造りのセットを見るだけでもこの映画は一見の価値があると言えるでしょう。

また、映画内に登場するバーガーキングやスターバックスなどの店舗(なんと吉野家まで!)の従業員のエキストラには実際にその店舗で働かせる研修を受けさせる徹底ぶり。

一部店舗は本物の店員が出演し、実際に撮影現場でスタッフ向けに販売を行なっていた店舗もあったそうです。

映画「ターミナル」は実話を基に製作されていた

ターミナルは心温まる「フィクション」であると誰もが思うと思いますが、スティーブン・スピルバーグによると、実在の人物の人生を基にして映画を制作したとのことです。

実際のモデルがいたというだけで驚きですが、どうやら実際は映画と違い、ハートフルなストーリーでは無かったようです。

主人公のナボルスキーのモデルとなったのは、イラン国籍のサー・アルフレッド・メヘランという男で、医師の父を持つ裕福な家庭で生まれ育った人物でした。

しかし、父の死後、自身が愛人の子供であったことが判明。

イランでは姦通罪があり、不倫関係にあった男女双方は厳しく罰せられ、生まれてきた子供もイラン社会で行きてゆく権利を剥奪されます。

そこで政府から移民用パスポートを受け取り、事実上、国外に追放されます。

やっとの思いでイギリスに難民申請が通り、イギリスに向かったところ、パスポートと国連発行の難民証明書を盗まれてしまい、結果入国拒否となり、フランス、パリのシャルル・ドゴール空港に送り返されてしまいました。(因みに、後年、パスポートと難民証明書は盗難されたのではなく、自身の不注意による紛失であったと本人が告白しています。)

もちろん、シャルル・ドゴール空港に降り立ったメヘランは、パスポートもフランスへ入国できるビザも持ち合わせておらず、シャルル・ドゴール空港のターミナル1で17年間も生活することになります。

自身の出生の秘密を突然知らされ、無一文になって国外追放となったメヘランは精神を病んでおり、映画のナボルスキーと違って、社交的で誠実な性格ではなく、卑屈で気難しい性格で空港の人々から嫌われる人物であったそうです。

彼は空港というある意味で飢えることや凍えることのない空港での生活が気に入ったのか、ベルギーやフランスが発行した難民認定書や旅行許可書の受け取りサインを拒否し、空港に居座り続けました。

自身の人生を基にした映画ターミナルが公開されても、「この映画のおかげで米国に行けるといいなあ。カリフォルニアでハッピーエンドというのが私の夢だ。」と語り、もはや自分でこの生活を抜け出す気は毛頭ありません。

そんな中、メヘランは2006年に空港内で体調不良で倒れ、病院に救急搬送されました。

その後、メヘランは回復したものの、これを機にフランス政府は強制的にホームレス支援施設に移送し、メヘランの空港生活は19年目で終わりを迎えたのでした。

このような事実を知っておくと、より一層、ターミナルを楽しんで観ることができますね!

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